2015年第1四半期における日本の実質GDP改定値が前期比1.0%増(年率換算3.9%)となったことに対し、韓国メディアの朝鮮日報(華字版)は9日、アベノミクスについて論じる記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 2015年第1四半期における日本の実質GDP改定値が前期比1.0%増(年率換算3.9%)となったことに対し、韓国メディアの朝鮮日報・中国語版は9日、アベノミクスについて論じる記事を掲載した。

 記事は、安倍晋三氏が首相に就任して以来、株価は上昇し続けていると伝えたほか、雇用情勢も改善し、大学を卒業した100人のうち97人が就職先を見つけられていると紹介。韓国ではアベノミクスが挙げた「成績」に対し、「日本経済はこれだけ好転したのに、なぜ韓国はこれだけ状況が悪いのか」という声があることを紹介した。

 さらに、韓国の崔荕煥(チェ・ギョンファン)副首相の発言として、「数年前であれば、“日本のようになった”という言葉は否定的な意味合いがあったが、現在はその意味が真逆になった」と伝え、称賛の意味合いが含まれるようになったと紹介した。

 続けて、日本の経済成長率が14年第2四半期と第3四半期が連続でマイナス成長となったことで、韓国では14年末ごろまで「アベノミクスは失敗だった」と考えられていたと主張。アベノミクスという言葉と、「大災難」を意味するアルマゲドンという言葉を掛けあわせ、「アベゲドン」が訪れるのではないかと嘲笑の言葉まであったと紹介し、「この言葉には歴史問題を否定する安倍首相が推進する政策など失敗すれば良いと望む気持ちも含まれていた」と論じた。

 一方で記事は、アベノミクスは実験室で誕生したばかりの新薬のようなものだと主張し、「新薬の効果を議論するのはまだ時期尚早」と主張。現段階では比較的良い効果を得られているとしながらも、日本が「失われた20年」から脱し、成長の軌道に乗せるのは難しいように思えると主張した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)