オーストリアの精神科医ビクトール・フランクル Photo by Imagno/Getty Images

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 オーストリアの精神科医・心理学者ビクトール・フランクル(1905-1997)の世界的名著「夜と霧」が、初めて映画化されることになった。

 「夜と霧」は、ナチスの強制収容所から家族を失いながらも生還したフランクルが、その体験を綴り、生きる意味を問うた思索の書。1947年の初版以降、日本をはじめ世界的なロングセラーとして600万を超える読者に読みつがれている。

 今回、CBSニュースほかのアンカーを務め、5度のエミー賞受賞経験を持つ米ジャーナリストのジゼル・フェルナンデスとFuego Filmsが同書の映画化権を獲得し、プロデュースにあたる。米Deadlineによれば、フランクル自身は映画化権を譲渡する意思がなかったようだが、このほど遺産管理団体がフェルナンデスとの契約に合意したという。

 監督やキャストは未定だが、脚本を手がけるアダム・ジブゴットによれば、収容所の悲惨さを描くのではなく、既存の映画のなかでは「ライフ・イズ・ビューティフル」(1998)に最も近いスピリットの作品になるようだ。

 なお、フランスのアラン・レネ監督の1955年のドキュメンタリーに、やはりアウシュビッツ収容所を題材にした同名の「夜と霧」という作品があるが、こちらのほうが原題に忠実で、フランクルの書籍の原題は「Ein Psychologe erlebt das Konzentrationslager」(心理学者、強制収容所を体験する)、英題は「Man's Search for Meaning」(生きる意味を探して)となっている。