上のかば焼きはどちらも肉厚で見るからに美味そうだが…手前がナマズで、奥がウナギだ

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世界で初めてマグロの完全養殖に成功したことで知られる“養殖の名門”近畿大学が、今度は絶滅が心配されているウナギに限りなく近い味と見た目を持つナマズの開発にも成功した。

前回の記事「ウナギ絶滅の危機を救う? “養殖マグロの近大”が開発した代用ナマズとは」では開発の経緯などをお伝えしたが、今回は実食レポートを公開!

■ウナギ専門店での試験販売で注文殺到

完成したナマズは奈良県のウナギ料理店「うなぎの川はら」で5月9日から26日まで試験販売。ということで、週プレも試食してきた。

ウナギそっくりな焼き上がりの香りを楽しんだ後、口に運ぶ。身はウナギの弾力にやや及ばず、脂も控えめだが、川魚らしい滋味にあふれ、それでいて臭みはナシ。

一方、皮はウナギのくにゅっとした食感とは違い、もちっとした歯応え。それでも同じ身の量のかば焼き定食がウナギだと税込み3240円なのに対し、ナマズは同2050円。約6割の価格で食べられるとなれば、「これはこれでアリ」と思えてくる。

試験販売前は、一般にはなじみのない魚への反応が懸念されたが、「意外な味」「あっさりしていて上品」と客からの評価も上々。それどころか注文が殺到しすぎて、当初確保していたナマズが足りなくなり、期間途中から一日10食限定になったほどの人気ぶりだった。

「うなぎの川はら」奈良店三条家の森本秀仁店長は、専門店の立場からナマズに大きな期待を寄せている。

「ウナギ店の経営はどこも今、相当にしんどい状況です。そんな中、ナマズはコスト的にも料理の素材としても申し分ない。将来的にはウナギとナマズを二枚看板にできるようになればいいですね」

養殖業者もウナギ店も消費者も皆がハッピーになれる。さらに資源枯渇の心配もない。ナマズはまさに期待のホープなのだ。

「日本の伝統的な食文化を絶やさないためにも、ウナギを食べるのは特別なハレの日だけにとどめて、普段は手頃なナマズのかば焼きを選んでいただければ。そんなチョイスを当たり前にするため、今後も味や食感の改良を続けていきます」(近大農学部水産学科・有路[ありじ]昌彦准教授)

7月以降をめどに市場へ本格参入すべく、鹿児島の養殖施設は現在、大増産の真っただ中だという。

もしかして今年の土用の丑(うし)の日には、全国のウナギ店のメニューに「ナマズはじめました」の文字が躍る!?

※ウナギ風ナマズに関する問い合わせ先:近畿大学 有路研究室 TEL:0742−43−6021