厳選!2歳馬情報局(2015年版)
【第2回:プロディガルサン】

 ドゥラメンテ(牡3歳/父キングカメハメハ)の二冠(皐月賞、ダービー)達成に沸いた、今春の3歳牡馬クラシック。その路線において、タイトルこそドゥラメンテに譲ったものの、ライバルとしてしのぎを削ったリアルスティール(牡3歳/父ディープインパクト)の強さも印象に残った。

 リアルスティールは、昨年末のデビュー戦を快勝すると、2戦目でいきなりGIII共同通信杯(2月15日/東京・芝1800m)に挑戦。キャリアの少なさをものともせず、見事な勝利を飾った。2戦目での同レース制覇は史上初で、しかも2着は、のちの二冠馬ドゥラメンテ。この白星で、一躍クラシック戦線の主役に躍り出た。

 迎えたクラシック本番では、GI皐月賞(4月19日/中山・芝2000m)でドゥラメンテの2着。続くGI日本ダービー(5月31日/東京・芝2400m)では巻き返しが期待されたが、まさかの4着に沈んだ(※のちにレース中の骨折が判明)。

 それでも、リアルスティールが見せた能力は、栄冠を手にしてもおかしくないレベルにあった。だからこそ、多くのファンの視線は、これからデビューするリアルスティールの弟に注がれている。

 その弟とは、プロディガルサン(牡2歳/父ディープインパクト)。兄とまったく同じ血統構成を持つ同馬は、来年のクラシックを目指して、早くも6月20日の2歳新馬(東京・芝1600m)で初陣を迎える予定だ。

 育成を担当したノーザンファーム早来(北海道)の林宏樹氏は、プロディガルサンの素質をこう評価する。

「走らせるとストライドが伸びてきて、乗り味がいいですね。独特の雰囲気と品の良さも持ち合わせていて、何頭かで一緒に走っていても、どこか他の馬を見下したような感じがあるんです。(私は)兄リアルスティールの育成は担当していませんでしたが、この馬のスピードと切れ味は、その兄を彷彿(ほうふつ)とさせますね」

 2歳春の時点で"良血馬らしさ"を見せてきたプロディガルサン。ただ、育成を始めたばかりの頃は、違う印象の馬だったようだ。林氏が続ける。

「育成を始めた頃は、華奢(きゃしゃ)というか、体が細くて、調教もいろいろ工夫しながらやっていました。すると、春を前に馬がガラッと変わって、トモ(※腰から後肢の付け根)もよくなってきましたね」

 今年に入ってから、プロディガルサンはさらなる成長を見せているという。そして同馬は、5月9日に美浦トレーニングセンター(茨城県)の国枝栄厩舎に入厩。12月末にデビューした兄リアルスティールとは異なり、6月20日の早期デビューで競走生活をスタートさせる。

 デビュー時期こそ大きく異なるが、プロディガルサンが目指すのは、もちろん兄と同じ3歳クラシック。リアルスティールが涙をのんだ舞台で、弟は輝くことができるのか。注目のデビューが迫っている。

河合力●文 text by Kawai Chikara