黒沢清監督が『岸辺の旅』で第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門監督賞を受賞!/写真:まつかわゆま

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第68回カンヌ国際映画祭、最終日前日に発表される「ある視点」部門の受賞作品。今年は二本の日本作品がこの部門には入っていて、賞のゆくえが期待されていたが、みごと黒沢清監督が『岸辺の旅』(10月1日公開)で監督賞を受賞した。

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監督賞を受賞して舞台に上がった黒沢監督は「英語が下手なので、日本語で」と話し始め、「本当に驚いています。ささやかな作品からひとつの輝きを審査員の皆さんは発見してくださった。そういうことが起こるのがカンヌなのだなと。ありがとうございました」とコメントした。

その後、受賞者たちの乾杯の席を抜け出し日本記者たちの取材を受けた監督。「審査員長のイザベラ・ロッセリーニさんが、『私は亡くなった母がいつも私のそばにいるような気がしていて、それは特殊なことだと思っていたのですが、あなたのこの作品を見てそういうことがあり得るのだと感銘を受けました』と言ってくださったんです。うれしかったですね」

「受賞者の一人であるイラン人の女性監督が『私はあなたの作品をマスターの作品だと思って見てきましたが、そのあなたと同じ舞台の立ててうれしく思います』と言ってくれたんですよ。うれしいけれどね、あぁ、こっちは年寄りなんだな、と思ったりしました(笑)。この部門は比較的若い人たちが多いので、年寄りは早くどけよと思っているのかもしれないけど、とんでもない、まだどかないぞ、なんて(笑)」

前回『トウキョウソナタ』(08)でカンヌ入りしたときは、授賞式までいることができなかった監督。今回はフランスで撮影した作品の編集でパリに滞在中のところをカンヌに戻り、授賞式に参加した。

「この前は式にも出られなかったし、受賞したという感慨はなかったんですが、今回はちゃんと賞状ももらって、あぁ受賞したんだなと感じています」当日の12時に連絡をもらい、3時にパリを発ったという黒沢監督。少しづつ、受賞の実感が湧いてきているようだった。【シネマアナリスト/まつかわゆま】