液晶モニターやPCディスプレイの製造メーカーであるLG Displayが、韓国で行ったメディアイベントで厚みが0.97mmのいう薄さで55インチの有機EL(OLED)ディスプレイの概念実証機を発表しました。

LG Display unveils wallpaper OLED panel

http://english.yonhapnews.co.kr/business/2015/05/19/80/0501000000AEN20150519006000320F.html



LG Display shows off press-on 'wallpaper' TV under 1mm thick - CNET

http://www.cnet.com/uk/news/lg-displays-latest-oled-tv-sticks-to-the-wall-is-under-1mm-thick/

LG Displayが発表した超薄型ディスプレイは、厚みが0.97mmで重量が1.9kgという壁紙のような有機ELパネル。壁に取り付けたマグネットマットにくっつけて設置することができ、取り外しも可能です。概念実証機であるため一般販売の予定は立てられていませんが、将来的にハイエンドモデルのTVディスプレイに採用する見込みで、LG Displayは有機EL技術を「革新的な技術だ」と述べています。



TVディスプレイは、液晶(LCD)技術やプラズマ技術が使われた「フルHDディスプレイ」の大流行に続いて、近年ではLED技術が発展を続けています。有機EL(OLED)技術は次世代ディスプレイのテクノロジーとして注目されており、極薄のスクリーンを作れるだけでなく「曲がるディスプレイ」を可能にします。そのため、有機EL技術はTVディスプレイだけでなくウェアラブルデバイスやモバイル端末にも使われ始めており、LG Displayは将来的に全てのディスプレイ有機EL技術が採用されると予想しています。

有機ELディスプレイは依然として高価であり、例えばLGが販売している55インチの有機ELディスプレイ55EG9600」の市場想定価格は税抜で62万8800円。しかし、LG Displayは2015年内の新型の有機ELディスプレイの販売台数を60万台と見込んでおり、有機ELディスプレイが大量生産されるようになれば、今後は生産コストの低下による有機ELディスプレイの低価格化が期待できます。

また、有機EL(OLED)技術の発明者であるChing W. Tang氏は同イベントで「有機EL技術がすぐにあらゆる企業で採用されるには5年〜10年がかかるかもしれませんが、その後はLCDディスプレイの出荷量を追い抜けるでしょう」とコメントしています。