2015年3歳クラシック
■Sportivaオリジナル番付(牡馬編:第5弾)

 3歳世代の頂点を決する牡馬クラシックの第2弾、GI日本ダービー(5月31日/東京・芝2400m)がいよいよ迫ってきた。

 クラシック第1弾の皐月賞(4月19日/中山・芝2000m)は、ドゥラメンテ(牡3歳/父キングカメハメハ)が完勝。ダービーでも同馬が最有力候補に挙げられるが、逆転を狙う"新星"たちが皐月賞以降のトライアル戦などで続々と名乗りを挙げている。

 本番と同じ舞台で行なわれた青葉賞(5月2日/東京・芝2400m)では、良血レーヴミストラル(牡3歳/父キングカメハメハ)が1番人気に応えて快勝。3連勝という勢いに乗って、大舞台でも一発を狙う。

 翌週の5月9日には、東京でトライアル戦のプリンシパルS(芝2000m)が、京都ではダービー最終切符をかけたGII京都新聞杯(芝2200m)が行なわれ、プリンシパルSは1番人気のアンビシャス(牡3歳/父ディープインパクト)が勝利。京都新聞杯は、ポルトドートウィユ(牡3歳/ディープインパクト)をはじめ、アルバートドック(牡3歳/父ディープインパクト)、トーセンバジル(牡3歳/父ハービンジャー)ら、骨のあるメンバーの追撃を振り切ったサトノラーゼン(牡3歳/父ディープインパクト)が勝って、ダービー切符を手にした。ただ、プリンシパルSを制したアンビシャスは、残念ながらダービー出走を回避した。

 また、ダービーに向けて新興勢力が台頭する一方で、皐月賞からの巻き返しが期待されたブライトエンブレム(牡3歳/父ネオユニヴァース)や、ベルーフ(牡3歳/父ハービンジャー)ら実力馬がダービー出走回避を表明。少なからず勢力図に動きが見られる中、これらの経過と結果を踏まえて、日本ダービーの行方を占う『Sportivaオリジナル番付(※)』を発表したい。
※『Sportivaオリジナル番付』とは、日刊スポーツの木南友輔記者、デイリー馬三郎の吉田順一記者、独特なデータを駆使するパソコン競馬ライターの市丸博司氏、フリーライターの土屋真光氏、Sportiva編集部競馬班の5者がそれぞれに、現時点における3歳牝馬・牡馬の実力を分析しランキング付け。さらに、そのランキングの1位を5点、2位を4点、3位を3点、4位を2点、5位を1点として、総合ポイントを集計したもの。

 1位は、皐月賞馬のドゥラメンテ。破壊力抜群の末脚で一冠目をもぎとったインパクトは強く、前回(4月30日配信「ダービーまで1カ月。『3歳牡馬ランキング』」)に引き続きトップの座についた。

●吉田順一氏(デイリー馬三郎)
「4角手前で大きく外に膨れて、鞍上のミルコ・デムーロ騎手が騎乗停止になるような"若さ"を残している以上、絶対視は禁物。しかし、その課題を補って余りあるほどの、闘争本能と爆発力がドゥラメンテにはあります。さらに、薄手の馬体ながらパワーを秘め、父キングカメハメハと母アドマイヤグルーヴから良質なバネを受け継いでいます。5月10日に(調教で)時計を出して、皐月賞以降も順調そのもの。いい状態で本番に臨めそうなのが、何より心強いですね」

●市丸博司氏(パソコン競馬ライター)
「NHKマイルC(5月10日/東京・芝1600m)も、唯一の『皐月賞組』であるクラリティスカイ(牡3歳/父クロフネ)が勝ちました。『皐月賞組』がこの世代のクラシック戦線をリードしているのは間違いありません。トライアル組が人気をするようなら、馬券的には『皐月賞組』により食指が動きます。中でも、ドゥラメンテは再度圧勝の可能性が大。府中(東京競馬場)に変わるのは、むしろ望むところで、ついに名牝の子からダービー馬が登場するのではないでしょうか」

 2位は前回同様、皐月賞2着のリアルスティール(牡3歳/父ディープインパクト)。ポイントでは3位以下を大きく離しており、この世代ではドゥラメンテとともに抜けた評価となっている。

●木南友輔氏(日刊スポーツ)
「共同通信杯(2月15日/東京・芝1800m)ではドゥラメンテに先着しており、東京コースに変わるダービーでは、当然主役の一頭に挙げられます。ドゥラメンテの能力は認めるものの、高速決着の皐月賞の結果が次につながるかどうかは微妙。また、ドゥラメンテの母アドマイヤグルーヴは、桜花賞3着からオークスでは7着と後退しました。そんな材料も考慮して、リアルスティールのほうを上位としました」

●吉田氏
「皐月賞の立ち回りは文句なしだったが、ドゥラメンテに並ぶ間もなくかわされたのは、力の差としか言いようがありません。とはいえ、レースにおいては安定感があって、ドゥラメンテよりも計算できます。ドゥラメンテにロスが生じれば、あっさり勝っても驚かないですし、それだけの脚力をリアルスティールは秘めています」

 3位も前回と同じく、サトノクラウン(牡3歳/父マルジュ)。皐月賞では人気を裏切ったが(1番人気6着)、はたしてダービーでその屈辱を晴らすことができるのだろうか。

●土屋真光氏(フリーライター)
「完璧なレースだった弥生賞(1着。3月8日/中山・芝2000m)から一転、皐月賞ではロスばかりが目立ちました。テン乗り(初めてその馬に騎乗すること)、多頭数の競馬、ペースの違い......と、敗因はいろいろと挙げられますが、逆にこれらすべてのことを皐月賞で経験できたのはよかったと思います。この敗戦を糧にして、ダービーでは巻き返しを期待したいところ。皐月賞で敗れた弥生賞馬がダービーでリベンジを果たすことは、過去の歴史でも証明されていますからね」

●市丸氏
「勝負づけのついた感のあるリアルスティールよりも、不利があったサトノクラウンのほうに逆転の魅力を感じます。東京スポーツ杯2歳S(2014年11月24日/東京・芝1800m)、弥生賞と、好内容で重賞2連勝を飾った実績からしても、ドゥラメンテを負かすのは、この馬以外にはいないと思います」

 4位は、キタサンブラック(牡3歳/父ブラックタイド)。前回はブライトエンブレムとの4位タイだったが、同馬がダービー出走を回避したことで、単独4位となった。

●市丸氏
「指数(※)でも4位。現在の東京コースは、開幕以来ずっと、インコース有利、先行馬有利の競馬が続いています。ダービーの週には使用コースも変わるだけに何とも言えませんが、もしも今の傾向がそのまま続いていれば、キタサンブラックには好材料。馬券的な妙味からも、格好の狙い目となるでしょう」
※市丸氏が独自に編み出したTF(タイムフィルター)指数。

 5位は、青葉賞を制したレーヴミストラルが初のランクイン。同じように青葉賞を勝ってダービー(2009年)に挑んだ半兄のアプレザンレーヴは、本番で5着だった。兄以上の結果を残すのか、注目される。

●木南氏
「高速決着、フルゲート(18頭)割れだった皐月賞が終わった瞬間から、今年のダービーの狙いは『別路線から......』と思っていました。中でも、注目はレーヴミストラル。時計自体は平凡なものでしたが、青葉賞を勝って3連勝。一気に素質開花ということならば、良血だけに期待が膨らみます」

 また、惜しくもランク入りを逃したが、青葉賞でレーヴミストラルの2着だったタンタアレグリア(牡3歳/父ゼンノロブロイ)にも「新勢力」としての期待が集まっている。

●吉田氏
「青葉賞では2着でしたが、直線で盛り返して、力負けを感じさせない内容でした。(ダービー出走の)権利をとるために早めに動く形になってしまいましたが、本来は脚を溜(た)めれば溜めるほど、切れそうなタイプ。折り合い面に不安はなく、どんな競馬にも対応できそう。混戦に強く、最後の直線で叩き合いに持ち込めれば、あッと言わせる場面を作ってもおかしくありません」

 全国の競馬ファンが注目する頂上決戦。本命ドゥラメンテがまたも驚異的な強さを見せるのか、それとも意外な伏兵馬の逆転があるのか。5月31日のゲートインが待ち遠しい。

text by Sportiva