合宿中に暴行や強要が行われた疑い(画像は大阪商業大学のホームページ)

写真拡大

大阪商業大学(東大阪市)の日本拳法部の合宿中に暴行や強要が行われた疑いがあるとして、大阪府警捜査1課は2015年5月10日に元主将など3人を逮捕したと発表した。別の部員2人も捜査中だという。

元主将らは3日間に渡り被害者の男子学生に対し、浴槽で首を絞めて溺れさせたり、ライターで体を炙ったり、肛門に竹串を刺すなど集団リンチまがいを繰り広げたという。大学側は通報によって部員に事情を訊いていたが、警察の捜査とは違う供述をしていた。

部員7人を無期停学処分

今回の事件が公になったのは、実は大学側の発表がきっかけだった。大商大は15年4月7日に、大学内の合宿所で3月7日から8日にかけて日本拳法部の「打ち上げ」が行われ、未成年の学生がウイスキーなどを飲酒し、部員の1人が酔って頭突きを加えけがを負わせるなどの不祥事があったとし、同部を無期限の活動停止とし部員7人を無期停学処分にしたと4月7日に発表した。

部員が同部の監督に連絡したため発覚したという。負傷したのは当時1年の男子学生で、大阪府警によればその15年3月10日にこの大学生と父親が被害届を警察に出したのだという。

そして大学は15年5月11日に公式ホームページで、4月7日に発表した元日本拳法部の学生3人が強要、傷害、暴力行為処罰法違反の容疑で大阪府警に逮捕された、と報告した。二度とこのような不祥事が起きないように再発防止に取り組んでいくと謝罪したのだが、合宿の現場で何が行われたのか具体的な事は書かれていなかった。

ある大学関係者によると、4月7日の発表に際し部員に事情を訊いてみたが、負傷した学生は酒に酔って気分が悪くなりトイレに入り出てこなくなった。出てこないのはトイレのカギが壊れていたためで、打ち上げ会場に連れ戻そうとトイレに来た学生と酔っていたせいか揉み合いになり、頭が顔に当たるなどして負傷したと聞いている、と語った。

大学側は負傷した学生にも話を聞いたが「酔っていたためよく覚えていない」という答えが返ってきたと話す。それでも未成年飲酒などが行われたことを重く受け止め、部の活動の無期限停止と、部員7人の無期停学処分を決めた、と説明。

「部は春の選抜大会で優勝したこともあり、今回の事態は非常に残念だ」

と話した。

全裸を強要

大阪府警は合宿中に行われた集団リンチ行為の実態を赤裸々に明かした。首謀は元主将の男子学生(21)とみられ、

「自分たちをにらみつける態度を取ったから」

と、犯行に及んだと説明しているという。1人の学生に対し3月6日から8日にかけ数人で、また単独で男子部員をイジメ抜いた。浴槽で後ろから右腕を撒きつけて首を絞め、顔面を水面に入れて溺れさせた。また、全裸を強要。全裸になった後は顔面に平手打ちをしたり、アルコールの一気飲みをさせたりした。

さらに、全裸で就寝中に全身に色つきのペンで落書きをしたほか、ライターで体を炙るなどした。肛門に竹串を刺したり、この学生の陰茎を他の部員の顔に押しつけるなどしたという。大学側に報告したトイレでの一件は、学生がこうした仕打ちに耐えかねてトイレに逃げ込んだためだが、そこから引きずり出し、顔面に2回頭突きをしたのだという。この頭突きによる打撲で1週間の安静が医者から言い渡された、と府警はいっている。当時の部員は11人いてそのうちの3人を逮捕し、別の2人は任意で捜査していると府警は話している。