中国メディアの経済日報は5日、中国国内の製造業の現場では「人件費の上昇」などを背景に、労働者に取って代わって産業用ロボットの導入が進みつつあると論じる記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国メディアの経済日報は5日、中国国内の製造業の現場では「人件費の上昇」などを背景に、労働者に取って代わって産業用ロボットの導入が進みつつあると論じる記事を掲載した。

 記事は、広州、香港、マカオを結ぶ珠江デルタ地域が中国でもっとも労働者の多い地域の1つであることを紹介しつつ、現地の製造業の現場では労働者に取って代わって産業用ロボットの導入が進みつつあると伝えた。

 さらに、珠江デルタ地域の各都市においても産業にロボットを活用することを推進する政策が次々と打ち出されていると伝え、その背景には「人件費の上昇がある」と指摘。また、中国の人口ボーナスが失われ、今後は「総人口が変わらないという前提のもとでも、年300万-500万人もの労働力人口が減少する見込みだ」と指摘した。

 続けて、人件費の上昇だけでなく、「製造業の高度化」に向けてもロボットの活用が不可欠であると指摘し、生産性の向上や、製品の品質の安定化においてもロボット活用は有益だと論じた。

 さらに、珠江デルタ地域や上海市と江蘇省南部・浙江省北部を結ぶ長江デルタ地域においては「大企業だけでなく、中小企業の工場においてもロボットが普及し始めており、今後もこの趨勢(すうせい)は続くだろう」と論じた。

 また記事は、中国の従業員1万人あたりの産業用ロボット利用台数は約30台だと紹介、ドイツは中国の約10倍、日本は11倍にあたるとし、「中国製造業におけるロボット“密度”は相対的に低い」と指摘。一方で中国では産業用ロボット市場が拡大しており、市場として大きな需要があることを紹介し、製造業の高度化や経済構造の転換に向けては「インターネットやビッグデータ、クラウドコンピューティングといった新技術とロボットの融合が必要」と指摘した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)