写真は番組HPより

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 5月1日発売の『フライデー』(講談社)が、フジテレビの止まらない視聴率下降とその真相を報じている。同局の亀山千広社長は4月24日に行われた定例会見で、視聴率低迷について「一番の原因はドラマ」などと苛立ちを露わにしたが、同誌は「現場を知らない上層部」に嘆く現場の声を伝えている。

ふるわない「水曜歌謡祭」の視聴率

 フライデーによれば、上層部の考え方が番組制作に悪影響をもたらしているという。それが顕著に表れているのが4月15日にスタートした『水曜歌謡祭』で、初回の平均視聴率は7.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・以下同)と苦しい発進となった。

 現場の人間なら、たとえば加藤綾子アナウンサー(30)など本職の司会者を置いた方が良いと分かるというが、上層部が抜擢したのは歌手の森高千里(46)とお笑いコンビ・アンジャッシュの渡部健(42)。意外性や話題性はあったものの、放送を見たネットユーザーからはやはり「なんか観る気しない」「司会もちゃんとできる人にしてほしい」など厳しい声が上がった。

 こうした“番組の質”よりも“タレント”を優先させる傾向は、ドラマにも及んでいるという。4月スタートの月9ドラマ『ようこそ、わが家へ』の主演は嵐・相葉雅紀(32)。記事によると、同ドラマについても上層部が「相葉ありき」「役者ありき」で口出しをするため内容がめちゃくちゃに。

「共演者でさえジャニーズ事務所の『検閲』が行われるなど、政治事情ありきの制作には視聴者も追いついてこなかった。第一話は13.0%で、第2話が11.4%、第3話が12.0%と、早くも暗雲が立ち込めています」(週刊誌記者)

ミヤネ屋の対抗番組が視聴率1%台

 また、上層部の思惑は情報番組にも影響を与えている。現在お昼の時間帯の人気番組といえば、読売テレビ制作で日本テレビ系で放送中の『情報ライブ ミヤネ屋』。フジテレビはこれに対抗すべく、3月30日から『直撃LIVE グッディ!』をスタートさせた。

 メインMCにはこれまで夕方の『FNN スーパーニュース』を牽引してきた安藤優子アナウンサー(56)を置いて勝負を掛けているようだが、局員達の間では「報道局の“女帝”と言われる安藤アナを“切る”ための番組」とも噂されているという。

「そんな不穏な空気の中で、4月20日の放送では1.7%とついに『1%台』を記録。同放送枠ではたった半年で打ち切りとなった『アゲるテレビ』も、初回から1%台を記録して局内に衝撃を走らせていただけに、もはや安藤アナの立場も危ういと言える」(同記者)

 しかし4月22日、首相官邸に落下していたドローンから放射性物質が検出されたことをいち早く報じたのは『グッディ』だった。情報の速さだけではなく質や量も他番組を圧倒し、このことは番組の信頼性に繋がったと見られる。

「新番組が根付くのは早くとも3年」

 と言われるが、果たしてフジ上層部は番組の成長を待つことができるか──。

(取材・文/一樹守)