姿勢の悪さが及ぼす子どもへの影響

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意識して姿勢を正す指導が、各地の学校現場で注目されている

最近、いすに座った際に意識して姿勢を正す指導が、各地の学校現場で注目されているというニュースを目にしました。現代人の悩みの多くが姿勢に関係があるとしたら、みなさんはどう思われるでしょうか。結果を言ってしまえば、これが密接に関係しています。今回は姿勢が悪いために起こる、いくつかの症状・問題点を紹介します。


姿勢の悪さが及ぼす影響

以前、小学校2年生の子どもを持つ親から「うちの子、肩こりなんです」と相談されたことがあります。また、4歳で腰痛持ちという子どももいました。姿勢の悪さは首や肩、背中のコリを生み、腰痛さえも引き起こす原因となります。

また、消化機能や呼吸機能の低下を招き、さらにはインナーマッスルも低下します。インナーマッスルは骨盤が正しい位置に立っているときに協調して働くため、姿勢が崩れていれば筋機能は低下します。その代償としてアウターマッスルを使い、さらに姿勢が悪くなり、疲れやすい体になってしまいます。

ほかにも、自律神経系のバランスが崩れやすくなります。自律神経系は、交感神経と副交感神経がバランスをとっています。特に自律神経は背骨に沿って走っているため、姿勢が悪ければアンバランスとなり、集中力に欠けたり、思考が浅くなったり、やる気が起こらなくなったりします。


姿勢を正すための解決方法

日本体育大学などの調査によれば、座っている時に姿勢の悪い児童が増えていると感じる小学校教員が、2010年には69%に上りました。その原因は、ゲームやスマートフォンなどの普及により、座った時の姿勢の悪化、正座などの骨盤を立てる教育の減少、インナーマッスルの低下、外で遊ぶことが少なくなったために起こる筋力の低下や体の感覚機能の低下が挙げられます。そんな中、姿勢を正すための解決方法は大きく分けて二つあります。

1)姿勢教育を徹底する
・椅子の背もたれにもたれかからないように腰掛ける
・脚の裏全体を均等に床につける
・骨盤を立てる(腰骨を立てる)
・お腹・お尻を引っ込める
・胸を開いて肩の力を抜く
・頭のてっぺんが天井に引っ張られるイメージで顎を引く

2)姿勢を改善する
既に筋や関節がかたくなっていて可動域が制限されている場合、または筋の持久力が低下している場合は、そこを改善するための運動を行って下さい。詳しくは、専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。


【花岡 正敬:理学療法士・柔道整復師】


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