安倍政権の“要”とされる菅義偉官房長官。最近の会見ではケンカ腰で受け答えをしたり、やたらと不機嫌な感情をむき出しにしたりと、その政治家としての資質に疑問を感じる瞬間が目立つようになってきた。

そんな人が、なぜ官房長官にまで上り詰められたのか。それを知るために菅義偉という政治家の人物像と評価について霞が関の人々に聞いてみた。

有名なエピソードとしては、秋田出身の農家生まれで高校卒業後に集団就職で上京したという話がある。その後、苦労して働きながら大学を出て、地方議員(横浜市議会議員)から叩き上げで国会議員となり官房長官にまで上り詰めたという感じだ。

しかし、これらには怪しい部分も多いのだという。菅氏をよく知る自民党の幹部関係者が証言する。

「まず、集団就職というエピソードが眉唾(まゆつば)なんです。彼は単身で上京したはずです。理由は実家の農業を継ぐのがイヤで田舎を脱出したかったからだと聞いています。

でも、菅さん自らがウソの経歴を言いだしたワケでもない。昔どこかのマスコミが集団就職で上京した苦労人だっていう報道を勝手にして、そういうプロフィールは選挙で有利だってことでシレッと利用しているだけなんですよ。彼の選挙区である横浜は地方出身の団塊世代が多い。集団就職というエピソードはウケがいいのです」

やはり政治家。なかなかしたたかな一面もあるようだ。

苦労人キャラをフル活用して選挙に強い政治家となったが、仕事で接する機会の多い霞が関官僚たちからの評価は総じて低いようだ。

「第1次安倍内閣時に私の上司(総務大臣)だったのですが、菅さんは役人の上げた模範回答をただひたすら繰り返すばかりでした。そこが“手堅い”と評価されるみたいですが、そんな政治家が祭り上げられる時点で、政治主導が聞いてあきれます」(総務省キャリア官僚)

「私が接してきた官房長官の中で菅さんに一番近いタイプは野中広務さんでしょうか。野中さんは修羅場の経験が豊富だけど歴史的な教養がないと評されていました。菅さんは野中さんからさらに信念と野心を取り除いた感じというのが率直な印象です」(内閣府キャリア官僚)

「橋下徹大阪市長が持ち込んだ八尾空港のオスプレイ受け入れに賛同したり、安倍さんの靖国神社参拝に反対したりと判断ミスが多い人だと思います」(外務省キャリア官僚)

コテンパンじゃないか。確かに菅氏の経歴を見てみると、異常なほど多くの派閥を渡り歩いている。“政治的な勝負勘”は悪そうだ。話を聞けば聞くほど「こんな人が、どうして出世できたのか?」と疑問は深まるばかりだ。

(取材・文/菅沼 慶)

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