2015年も注目選手多し ドラフト候補、ルーキー……JABA大会で躍動した期待の星【横尾弘一の「プロにつながる社会人野球」】

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JABA四国大会で存在感を示したルーキー


 4月の社会人野球は雨に祟られている。日本選手権への出場権をかけたJABA大会も予定通りに消化できた大会はひとつもなく、4月2日に開幕した静岡大会は実に5日も延期され、決勝は予定になかった磐田城山球場で行われるなど、運営側もひと苦労だった。

 もちろん、雨の中で強行された試合も多く、選手の集中力や対応力が大いに問われることになった。そうした中でも、プロを目指す若手選手たちは目立つパフォーマンスを発揮した。

 四国大会では、新日鐵住金かずさマジックが投打に圧倒的な力を見せつけた。リーグ戦はJR九州、三菱重工名古屋に加え、今大会から出場することになった四国アイランドリーグPlusの香川オリーブガイナーズと同組。JR九州と三菱重工名古屋が香川と延長タイブレークの死闘を繰り広げる中、新日鐵住金かずさマジックは香川を7-2と一蹴。JR九州と三菱重工名古屋にも快勝して準決勝に進出すると、ツネイシ、セガサミーにコールド勝ちで初優勝を果たした。

 米田真幸主将が「どこが相手でも自分たちの野球ができた」と振り返る戦いの中で、昨年から注目される左腕・加藤貴之を凌ぐ快投を披露したのが、ルーキーの玉井大翔だ。東農大北海道オホーツクで風張 蓮(東京ヤクルト2位)と二枚看板だった右腕は、コンスタントに140キロ台後半を叩き出すストレートを軸にリリーフで存在感を示した。



 ちょっとした“事件”が起きたのは静岡大会だ。優勝候補の一角・NTT東日本はリーグ戦で2連勝したが、このあと天候が一気に悪くなり、第3戦は4月9日までずれ込む。
 実は、この日から日立市長杯大会に出場することになっていたため、苦肉の策で28名の選手を2つに分け、両大会を同時に戦うことになった。それでも、ヤマハを延長10回タイブレークで破って準決勝に進出。準決勝ではHondaにコールド負けしたが、思わぬアクシデントの中、選手層の厚さを示すことになった。

 そのNTT東日本に大勝したHondaでは、2年目の石橋良太投手が躍動。3月の東京スポニチ大会でも2完封をマークしている若きエースは、この大会でも2試合に先発し、いずれも1失点の好投で優勝の原動力になる。また、今季から主将を務める阿部寿樹は、パンチ力のある打撃と安定したショートの守備でチームを牽引。4年目で26歳になるが、まだまだスカウトは熱い視線を送っている。



JABA長野県知事旗大会は信越硬式野球クラブがV


 やはり2日延期された日立市長杯大会で頂点に立ったのは、リーグ戦2試合を少ないメンバーで連勝したNTT東日本。この大会ではルーキーの活躍が際立った。

 立正大から入社した沼田優雅は、172cmと小柄ながら切れ味鋭いボールを左腕から繰り出し、先発に、リリーフにフル回転。準決勝で今秋のドラフト候補・横山弘樹が完投勝利を挙げると、決勝の先発を任されて日本通運を2安打で完封した。



 また、四番に座った桐蔭横浜大出の喜納淳弥は、シャープなスイングで豪快な本塁打もマーク。明大出の福田周平は攻守に高いポテンシャルを示し、駒大出の下川知弥も勝負強い打撃を見せるなど、昨夏の都市対抗でベスト4入りしたチームに大きな刺激を与えた。

 惜しくも準優勝だった日本通運でも、やはりドラフト候補に挙げられる井口拓皓は貫録の投球。低目への制球力は、さらに磨かれたという印象だ。

 ここまでは、関東勢が優勝を独占しており、長野県知事旗大会でも東芝と明治安田生命が準決勝に駒を進める。ただ、他地区のチームも意地を見せ、NTT西日本は東芝にシャットアウト勝ち。また、地元の声援を受け、リーグでは昨夏の都市対抗覇者・西濃運輸を1-0で倒した信越硬式野球クラブは、明治安田生命にサヨナラ勝ちで決勝に進出する。
 そして、NTT西日本が優位という下馬評の中でも2-2と踏ん張り、延長11回からタイブレークに持ち込むと、一気に3点を奪ってNTT信越時代から17年ぶりに優勝を飾る。

 その原動力となったのは、3年目の右腕・高橋雄輝だ。東海大時代は好投手がひしめく中で出場機会に恵まれなかったが、制球力を磨いて台頭。NTT西日本にも15安打を許しながら、タイブレークに入るまでは2点に抑えるなど、スタミナや粘り強さも備えた。最高殊勲選手賞をステップにして、どこまで飛躍するか注目したい。



 JABA大会は、5月中旬まで各地で熱戦が展開される。来月も、各大会で飛び出した期待の星たちをクローズアップする。

【第44回JABA四国大会の結果】


◆準決勝
新日鐵住金かずさマジック 10×1 ツネイシ(7回コールド)

◆準決勝
日本新薬 2×3 セガサミー(延長10回)

◆決勝
新日鐵住金かずさマジック 7×0 セガサミー(8回コールド)
※新日鐵住金かずさマジックは初優勝

◆表彰選手
最高殊勲選手賞/本多俊弘投手(新日鐵住金かずさマジック)
敢闘賞/前原侑宜投手(セガサミー)
首位打者賞/米田真幸外野手(新日鐵住金かずさマジック)=.500

【第62回JABA静岡大会の結果】
◆準決勝
トヨタ自動車 2×1 三菱自動車岡崎

◆準決勝
Honda 10×1 NTT東日本

◆決勝
Honda 2×0 トヨタ自動車
※Hondaは6大会ぶり3回目の優勝

◆表彰選手
最高殊勲選手賞/櫻田裕太郎投手(Honda)
敢闘賞/川尻一旗投手(トヨタ自動車)
首位打者賞/三浦大和外野手(Honda)=.500
最優秀新人賞/木下拓哉捕手(トヨタ自動車)

【第38回JABA日立市長杯大会の結果】
◆準決勝
NTT東日本 7×1 Honda鈴鹿

◆準決勝
日本通運 8×0 富士重工業(8回コールド)

◆決勝
NTT東日本 3×0 日本通運
※NTT東日本は36大会ぶり3回目の優勝

◆表彰選手
最優秀選手賞/沼田優雅投手(NTT東日本)
敢闘選手賞/井口拓皓投手(日本通運)
首位打者賞/福田清将外野手(日本通運)=.529

【第57回JABA長野県知事旗大会の結果】
◆準決勝
信越硬式野球クラブ 7×6 明治安田生命

◆準決勝
NTT西日本 6×0 東芝

◆決勝
信越硬式野球クラブ 5×3 NTT西日本(延長11回タイブレーク)
※信越硬式野球クラブは17大会ぶり5回目の優勝。

◆表彰選手
最高殊勲選手賞/高橋雄輝投手(信越硬式野球クラブ)
敢闘賞/浜崎浩大投手(NTT西日本)
首位打者賞/宇野竜之介捕手(信越硬式野球クラブ)=.385

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