ソフトバンク・李大浩【写真:編集部】

17日のロッテ戦で12試合ぶりの打点「久しぶりに貢献できた」

 助っ人砲が復調気配だ。19日のロッテ戦(QVC)。ソフトバンクの5番・李大浩が、決勝の一打を放った。

 両チームが初回に2点ずつを奪い合って迎えた3回だった。1番中村晃、2番牧原の連打で、1死一、二塁のチャンスを作ったソフトバンク。4番内川の打席で、牧原がロッテの捕手・田村の牽制に刺されて2死二塁となると、ロッテバッテリーは内川との勝負を避けた。四球で歩かせ、2死一、二塁とした。

「それは(内川の四球は)そうするだろう。内川の調子が良くて、僕は悪い。回ってくるだろうと思って、準備はしていた。そういう(前の打者が勝負を避けられる)のは、自分で乗り越えないといけない」

 この場面で打席に立った李大浩。千載一遇のチャンスを逃さなかった。ロッテ先発の黒沢翔太が投じた初球。真ん中高めへの甘い129キロのシュートを捉えると、打球は左中間へ。センター岡田の頭上を越えて、フェンスに直撃。二者が生還する決勝の2点二塁打だった。

 その2日前の17日にも、李大浩は決勝打を放っている。4回無死二、三塁で左前へ逆転の2点適時打。「本当に久しぶりにチームに貢献できたよ」。こう安堵の表情を浮かべていた。これが、実に12試合ぶりに挙げた打点。4打数3安打で今季初の猛打賞を記録した。

一時は打率1割9厘「野球人生でこんなに打てないことはなかった」

「自分の野球人生でこんなに打てないことはなかった。打点がなくて大変というのはなく、ヒット自体が出なくて問題だった。大変だったよ」

 今季、開幕から不振を極めた李大浩は、こう胸の内を明かす。

 4月3日の西武戦(西武プリ)の6回、第3打席にレフトへの二塁打を放って以降、暗いトンネルに入った。12日の日本ハム戦(熊本)まで24打席連続ノーヒット。打率は1割9厘まで落ち込んだ。

 敵地での楽天2連戦(コボスタ)を終え、福岡に戻った9日。チームは指名選手だけがヤフオクドームで練習を行ったが、不振の助っ人は指名からは外れていたにも関わらず、ドームを訪れてフリー打撃などを行っていた。「休みの日に練習することが恥ずかしい」と漏らしながら、ノーヒットの間も復調へと躍起になっていたのだ。

 16日のオリックス戦(京セラD)の2打席目でセンター前ヒットをマークしてから4試合連続安打となり、打率は1割9分1厘まで上昇。「いい状態に上がってきている。本来の状態に戻るまで、もう少しだと思う」。ロッテとの3連戦を終えると、こう手応えを口にした。

「遠征ばかりだったから、ホームで休みたいよ」と笑った李大浩。ソフトバンクは5カードに及んだビジター、地方開催による遠征を終え、21日の楽天戦から19日ぶりに本拠地ヤフオクドームに戻る。この約3週間でどん底を見た李大浩の打撃に、ようやく光が差し始めた。