8回完封!24アウト中、内野ゴロは16!

8回3安打完封の山岡司(東洋大姫路)

 東洋大姫路は今大会で初めて背番号1をつけた右腕・山岡司(3年)が先発のマウンドに立った。「最初は球がやや上ずった」とヒットを浴びたが、持ち味である低めの球を打たせて取るピッチングを見せはじめると、リズムに乗った。味方打線がコールド勝ちを決めてしまったために8回までという形にはなったが、3安打無失点。24個のアウトのうち、16個が内野ゴロという内容で公式戦初完投を果たした。

 本来のエースは岡本健嗣(3年)。だが藤田明彦監督によると、春の西播地区予選以降中々調子が上がらなかったそうだ。さらに「3年生の投手が岡本一人という状況だったので」という夏を見据えた指揮官の構想から、内野手をしていた山岡に白羽の矢が立った。

 入学時は投手で、「ずっと戻りたいと思っていた」という山岡にしても、投手再転向は願ったりの状況。岡本からエースナンバーを奪った今大会にかける意気込みは強い。試合後には、「背番号1のまま、夏の大会まで行きたい」と力強く語った。

 さて、この試合で伊丹北の大西健太(2年)と松田裕馬(3年)のバッテリーは、走者が出ると何度かピッチドアウトをして盗塁やスクイズの警戒をした。イニング間の投球練習の最後にキャッチャーが二塁へ投げる際にも、ピッチドアウトをしている場面がみられ、この練習がかなりしているものと推測できる。

 ただその裏をかく形で、攻撃を有利に進めるきっかけを作ったのが、東洋大姫路の1番・岩田幸宏(3年)だ。「普段は2番か9番を打っている選手」と藤田監督が話すように、この日打順を変更されて1番に起用された選手。この岩田が1回裏、伊丹北・大西の第1球をバントし、内野安打を勝ち取った。

 そして2番・名本塁(3年)の2球目、バッテリーがピッチドアウトをしたにも関わらず、盗塁を成功させる。この後、3番浅沼良太(3年)のタイムリーで先制のホームを踏んだ岩田。大西が岩田に投じた1球目から、先制まではわずか8球という電光石火の攻撃だった。

 この試合で東洋大姫路が決めた盗塁は5。さらにピッチドアウトで外されながらスクイズを決める場面もあった。これも1回裏の初球バントヒットがいかに東洋大姫路の流れになったかがを示すデータと言えるだろう。

 逆に1回の1番打者に思ってもみない初球バントヒットを決められた後、流れを引き戻すためにどう守っていくか。守備をするチームは大きなテーマとしてぜひ考えてみてほしい。