上村君の事件現場。この近くで惨劇はまた起きた

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 多摩川河川敷で中学1年の上村(うえむら)遼太君(13)が殺害された事件の衝撃が収まらない東京湾岸で、悲劇がまた繰り返された。事件現場からわずか4キロの横浜市鶴見区の鶴見川河川敷でまたも凶悪な少年事件が発生したのだ。

 昨年12月、酒に酔った少年が暴行を受けた後、放置され死亡した事件で、鶴見区内に住む17歳の高校3年の男子生徒3人が暴行と保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕された。

「犠牲になったのは、逮捕された少年らと同じ鶴見区内に住む山口亘さん。亡くなった当時は17歳で、調理人志望の専門学校生だった。死因は溺死だったが、遺体には暴行を受けた痕跡があり、逮捕された少年らに集団リンチを受けた可能性が高い」(捜査関係者)

「夢の中でたばこ吸ってんのかな〜」

 少年が仲間を河川敷でリンチした挙げ句、死に至らしめる。「川崎」と「鶴見」、2つの事件は、その構図が驚くほど似通っている。

「酒が介在している点もそうだ。川崎の事件でも、酒乱気味だった主犯格の少年がアルコールが入ったことで、暴行をエスカレートさせていた。今回も、逮捕された高校生らが酒を飲んで歯止めを失った可能性がある。山口さんに無理矢理酒を飲ませ、酩酊させていた点ではより悪質性が高いといえる」(同)

 川崎の事件では、インターネットの脅威もあらわになった。

 事件発生直後から、逮捕された少年らの顔写真と実名がツイッターなどで拡散。大手マスコミは、一部週刊誌が掲載するのみだったが、ネットの世界では少年らのプライバシーが白日の下にさらされる事態となった。

 今月になって、鶴見の事件がマスコミで報じられるようになると、ネットでは、またも同じような?公開処刑?が行われ始めている。

「亡くなった山口さんは、交流サイト『前略プロフィール』を利用しており、そこで個人情報を公開していた。そこに逮捕された少年たちの名前を挙げていた。そこから少年らのツイッターが特定され、個人情報がさらされるなどして炎上騒ぎになっている」(事件を取材した週刊誌記者)

 名前が挙がった少年の1人は、自身のツイッターに、

「夢の中でたばこ吸ってんのかな〜?笑」

 との投稿とともに、禁煙席で喫煙する少年の画像をアップ。線路で横たわるなどの悪ふざけをする様子も投稿していた。

 別の少年は、「今週もやってます!」との書き込みとともに、ビールジョッキを前にした酒盛りの様子を写した画像をさらしていた。

「ツイッターからは、ヤンキーっぽい言動が目立ちますが、筋金入りの不良というわけではなかった。むしろ不良の中では下っ端で、地元では、少年たちは、『ワルぶってるグループ』という認識だった。ただ、少年たちは、仲間の山口さんには強く出ることが多かったようで、事件当日も中古バイクを売りつけようとして山口さんを呼び出したらしい」(同)

 ヤンキーにもなりきれないハンパ者の無知と無謀が、取り返しのつかない悲劇を招いた側面があるようだ。

 亡くなった山口さんは「前略プロフィール」で、逮捕された少年らにこんなコメントを残している。

「皆まぢで信用しているから」

 温かい人柄を偲ばせる、その言葉がなんともやりきれない。

(取材・文/浅間三蔵)