【ラーメン】家系マイスターも大興奮!? 「ぱるぷん亭」「壱角家」取材レポ

写真拡大

※本記事は2015年1月の「はまれぽ」記事を再掲載したものです。

【写真】家系ラーメン店「ぱるぷん亭」「壱角家」

ある日、ライター・中原の元にはまれぽ編集部の松山氏より1本の電話が。

松「あの、ちょっとご相談なんですが……」
中「はいはい」
松「中原さんって、一日で何杯くらいラーメン食べられますか?」

……自分が一日で何杯のラーメンを食べることができるのか。これまでの人生で、そんなことは当然のことながら試みたことはない。

ラーメン、そんなに食べないでしょ……?

質問の趣旨が見えないまま松山氏の話を聞くと、横浜市内に数多ある家系ラーメン店を全店制覇しようという、無謀ともいえる企画に駆り出されようとしていることを理解する。しかもこの企画、家系マイスターという謎の肩書きを持つマーコ氏との同行取材だという。

なんだろう、ラーメンマイスターって。ただラーメン好きでいっぱい食べてる人と何が違うの? 過去記事で写真を見たことあるけど、なんか髪の毛のえりあし長いし。

「家系ラーメンビギナーの私で大丈夫なのか?」という不安を抱きつつも、得体の知れないマーコ氏の素性を知りたいという興味もあり、この無謀な企画に体を張って挑む決意をする。

■上大岡初の看板を背負って立つ「ぱるぷん亭」

今回は数ある家系ラーメン店の中でも、比較的オープン間もない2軒を直撃取材することに。

最初にお邪魔したのは、京浜急行線上大岡駅から徒歩3分ほどの大通り沿いに2014(平成26)年7月にオープンした「ぱるぷん亭」。我々ドラ●エ世代にとっては、なんとなく親近感を感じる店だ。

赤い看板が人目をひくお店の前で待つこと5分少々。現れた店長の麻生達也さんから頂戴した名刺を見ると、店長がすぐ近くで経営するバーの名前も印刷されている。バーの名前は「ルイーダ」。やっぱり! お店の名前はドラ●エの呪文にちなんでいるそうです。

「ぱるぷん亭」は元々立ち飲み屋さんだった店を改装して、家系ラーメン店にしたそうだ。
麻生さんが飲食店を経営する上でのポリシーは、「上大岡になかったお店を作ること」。上大岡は居酒屋や焼き鳥店は多いが、ラーメン店は以外に少なく、しかも家系ラーメン店はゼロだった。つまりここは、上大岡初の家系ラーメン店ということなのだ!
 

数ある家系ラーメンの中でも、麻生さん自身が「最も愛する味」という、京急線日ノ出町駅の「とんこつ番町」の味を継承することに。

こちらのラーメンは、何百パターンも試行錯誤した末にたどり着いた究極の濃厚スープが自慢。リブ肉として食しても美味という贅沢な豚骨と、鹿児島産の上質な生の鶏ガラをたっぷり使用している。
 

「味が安定しないものをお客様に出すのは失礼だという、私の飲食時代の師匠の教えに基づいて提供しています。ただし、ベースにさまざまなアレンジを加えた当店オリジナルの季節限定メニューなどは随時提供していこうと思っています」と麻生さん。

もう一つの理由は、鹿児島などで調達した材料の鮮度を生かすために、できるだけ材料の生産地に近い熊本でスープを仕上げたいという発想だ。

麻生さんは「完璧な味を実現するには、材料の原産地とできるだけ近いところで調理まで完結させるのがベストだと考えました」と話す。

そんなこだわりの詰まったラーメンが「醤油とんこつ」!
 

ビジュアルは、とろりとしたいかにも濃厚そうなスープ、のり、ホウレンソウ、チャーシューという定番家系スタイル。

従来の家系ラーメンに比べて濃度が3〜4倍というスープは「強いスープ」に変わるまで時間をかけて丹念に煮込んでいる。合わせる麺は、適度な歯ごたえとスープとのからみを考慮し、中太ストレート麺。

上大岡初の家系ラーメンの味はいかに? はりきって試食するマーコ氏。黙々と食べる、その眼差しは真剣だ。そして、それを見守る店長の眼差しも真剣そのもの。
 

筆者も試食させていただきました。
確かにダシの効いたスープはかなり濃厚! しかし、しつこさはなくペロリといけそうな勢い。麺も弾力があって美味! これは確かにやみつきになりそう! と興奮する家系初心者の私とは違い、冷静に分析を行うさすがのマーコ氏。

「やや塩味が控えめな印象。醤油ではなく塩を加えることで、しょっぱさと甘さのバランスをとることができると思うのですが……」とつぶやく。

そして試食を終えると、おもむろにボードとマジックを手にして★マークをぬりぬりし始めるマーコ氏。ということは、今回もやるのですね……。例の「マーコの本気コンサルチェック」。
 

マーコ氏が意外と地味にぬりぬりしている間、ライター・中原は麻生店長にいろいろなお話を聞かせていただく。

家系ラーメン店ではテーブルの上にすりおろしニンニクが置いてあるのが基本だというが、ここにはそれが見当たらない。その理由を尋ねると、こちらでは厨房でスタッフが生のニンニクを器具で潰して、ラーメンに入れてくれるそうだ。

そしてグラスは透明なプラスチックタイプではなく、アルミ製。これで通常のグラスよりも長い時間水の冷たさが保たれるそう。もしやこれも、ラーメンの味を引き立てるための秘策……?

「いや、テーブルの上に水滴がつくの嫌なだけです」

「……。(心中:ええ! ラーメンに関係ないんですか!?)」

とても真面目にお話ししているだけにつっこみづらい。

そうこうしているうちにマーコ氏のコンサルチェックが終了。その結果は……
 

★3つ獲得! なかなかの高得点。

「マーコの本気コンサルチェック」
(1)しょう油フックがガンガンに効いているが、いかんせんチー油の効きが弱いために、しょう油のしょっぱさが前面に出過ぎてしまっているところが否めない。

そのため、チー油を増やすことで甘みやまろやかさがプラスされ、全体のバランスが良くなることが予測されることから、チー油の量をあと10cc足したほうが絶対良い。

(2)家系ラーメンの場合、ライスを食べてもらうことでリピート(再来店)率が上がるため、ランチタイムは「半ライス無料」は欲しいところだ。
また、家系ラーメンとしては700円と高い部類に入ることも踏まえると、上記サービスは必須である。

(3)派手めな外観とは逆に、店内が暗いために活気感(=繁盛している感)が弱い。
基本的に1人で営業することも踏まえると、まずは店内の光の数やワット数を増やして、 活気感は上げたほうが良いであろう。
 

マーコ氏のチェックに対して「ええ、本当に。今ご指摘いただいた部分は、自分たちも改善していきたいなと考えていたことばかりなので。参考にさせていただきます」と真摯に答える麻生さん。良い人だ。

ベースの味は守りつつも、今後はさまざまなアレンジを加えてオリジナルメニューも追加していく予定だという「ぱるぷん亭」。

ちなみに今お店で使用している野菜のほとんどは、麻生さんのお母様が戸塚区の畑で有機栽培した新鮮な物だという。そんな旬の新鮮野菜を味わえる「ぱるぷん盛」もオススメのメニュー。ラーメンだけじゃあ栄養が偏っちゃうかしら? と心配な方はセレクトしてみては?

■次は学生の集う街、日吉の商店街へ……

次に訪れたのは、2014(平成26)年8月にオープンした東急東横線日吉駅のにぎやかな商店街の一角にある「壱角家」。本日2軒目とはいえ、次のラーメンも食べる気満々の中原。家系ラーメン初心者ながら、早くもその中毒性にはまりつつある……。

ちなみに今回のお店に先日電話で取材を依頼したところ、対応してくれたスタッフがマーコ氏のファンであったらしく、本日のマーコ氏の来店を心待ちにしているという。

「マーコ氏にもファンとかいるんだぁ……」と内心思いつつ、お店に突撃。

お店に入ると、早速マーコ氏のファンというスタッフ・リョウセイさんがハイテンションで迎えてくれる。

「うわああ! 本物のマーコさんだ!」

ファンだという話は半信半疑だったが、どうやら嘘ではないらしい。

テンション上がりっぱなしのリョウセイさんも交えて、後から到着した店長さんにお話を聞かせていただく。お店はお客様がたくさんいらっしゃったので、とりあえず2階の事務所へ移動。

本日は池袋の店舗から駆けつけたという店長さん。この壱角家は東京都八重洲に1号店がオープンして以来目覚ましい勢いで各地に展開し、現在は東京・神奈川に13〜4店舗を構えているという。

中でもこちらの日吉店は横浜エリアでは1号店で、学生街の駅前という好立地もあり、今後も大きな期待を寄せられている店舗なのだ。

壱角家のストロングポイントは「妥協を許さない本物の濃厚スープ」。

特殊な機材は一切使わず寸胴と技術のみで仕上げるというスープは「お客様を喜ばせたい」というスタッフの気合と愛情を注入することで最高の味になるという。

そんなスープに絡みつくのは、老舗中華麺製麺所に依頼する特注の「十八番中麺」。濃厚なスープに負けないパンチのある麺に仕上げるために、小麦の香りと深い味わいにこだわり、究極の加水率にたどりついたという逸品だ。

そんなお話を聞いているうちにお腹がすいてきたので、そろそろ下に行ってラーメンをいただくことに。
 

そして、究極の「ラーメン」(630円)が登場!

ビジュアル的には、うずらの卵、チャーシュー、ホウレンソウ、そしてのりが3枚。このとろりと煮込んだチャーシューも自慢の逸品とのこと。
 

まずは一口。「しょうゆの味がたってる」と静かにつぶやくマーコ氏。

筆者も一口。これは! なんとクリーミー!
こってり濃厚なスープと、時間をかけて煮込んだであろう、とろとろのチャーシュー。そして麺の弾力さまざまな魅力を口の中で堪能していると、隣でパシャパシャと写真を撮っていた松山氏から驚きの声が。

見ると、マーコ氏がトッピングの玉ネギに手を伸ばしている。

玉ネギ入りました!

松山氏の解説によると、ラーメンそのものの味を確かめるために、めったにトッピングには手を出さないというマーコ氏。そんなマーコ氏がトッピングの玉ネギを投入……。これはいったいどういうことなのか?
 

ちなみにマーコ氏が投入したのは「絶好調玉ネギ」。ネーミングはパンチがあります。
ほかのトッピングにもユニークな名前がつけられており、中には「一撃必殺」という謎のものまで。店長さんいわく「コイツは本当に危険なので……」とのこと。
確かに、ふたを開けた瞬間に危険な香りが全開でした……。

あっという間にスープまで飲み干すと、またまたおもむろにボードとペンを手に取り、星をぬりぬりするマーコ氏。本日2軒目ということで、少しは要領がつかめてきた筆者。これは意外と時間がかかる作業なので、その間店長さんとお話することに。

それにしてもこのお店は店内にあふれる活気が素晴らしい。お客様が一人来店するたびに、オーダーが入るたびに、スタッフ全員から大きな大きなかけ声があがるのだ。

「商品スペックを売りにするお店は多々あると思いますが、うちは接客も売りにしています。お店の雰囲気も味の一つですからね」と店長さん。
 

店長さんのポリシーは、「活気とは笑顔と元気がそろうことで成立するもの」。その思いを実現するために、スタッフ教育には力を注いでいるそうだ。

スープを飲み干したお客様にはスタッフ全員で拍手を送ったり、お店に入る際にはすかさずドアを開けてくれたりとホスピタリティも抜群。
 

そんな話をしているうちに、マーコ氏の準備が整いました! 気になる採点結果は……

!!!なんと!!!
 

でたーーー! 過去最高得点! ★4つ!

「マーコの本気コンサルチェック」
(1)しっかりとしたスープボディに加え、醤油感が存在する家系最先端の味わいである。
強いて言えば、麺自体の主張が激しいため、スープとの絡みはそこまで良くないが、あくまでも高い次元での話なので、レベルが高いことには変わりはない。

(2)商品以外にも接客や内外装力など総合力が高い店舗。しかし、細かい点だが、店内の木製板の文字が失礼ながら素人の文字になってしまっている。
店内のほかのデザイン力が高いだけに、素人っぽい文字が少し目立ってしまっているので、雰囲気感を重視するのなら、業者に頼んだほうが良いだろう。

過去最高得点ということで、マーコ氏もいつもより興奮気味。

「文句の付けどころがない! 総合力のあるラーメンでした。味はもちろんのこと、接客面で気を遣ってくれるのもうれしい。味は雰囲気に左右されるものだから、この“つきぬけた活気”は素晴らしい! 強いて言うならば、麺が太めなのでスープとのからみがやや悪いくらいかな?」

まさかの最高得点にスタッフ一同大喜び。

「明日から、また頑張って仕事ができます。頑張ります。働きます」と店長さん。今後さらに店舗数が増える予定だという壱角家。店舗数が増えれば店長さんもますます多忙となることだろうが、ぜひぜひ頑張っていただきたいです!

■取材を終えて

今回は上大岡エリア初の家系ラーメン「ぱるぷん亭」、そして、めざましい勢いで進出する「壱角屋・日吉店」の2軒をご紹介しました。

コクのあるスープ、弾力のある麺、ジューシーなチャーシュー。すべてのパーツが絶妙に絡み合うことで、やみつき必至の深い味わいが完成するのだということをなんとなく感じた初レポでした。

そしてラーメンを作るスタッフの真剣な姿勢、それを評価するマーコ氏の本気度。「男の勝負の世界」を見られたような……気がする貴重なひとときでした。

・ぱるぷん亭
所在地/横浜市港南区上大岡西1-11-9
電話/045-349-3652
営業時間/11:00〜翌3:00
定休日/不定休

・壱角家 日吉店
所在地/横浜市港北区日吉本町1-1-3
営業時間/11:00〜翌3:00

※★評価は2店舗とも取材日時点での評価となります。
※★評価は事前に店主の許可をいただいたうえで行っております。

※本記事は2015年1月の「はまれぽ」記事を再掲載したものです。