登壇した原恵一監督(左)と故杉浦日向子さんの実兄である鈴木雅也・弘子夫妻

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江戸風俗研究家で漫画家の故杉浦日向子さんの漫画「百日紅」をアニメーション映画化した「百日紅 Miss HOKUSAI」の完成披露イベントが4月17日に都内で行われ、原恵一監督、杉浦さんの実兄である鈴木雅也・弘子夫妻が出席した。

浮世絵師・葛飾北斎の娘で、同じく浮世絵師として活躍した女性・お栄が、父や妹、仲間たちとともに自由闊達(かったつ)に生きた姿を、色鮮やかな江戸の町の四季を通して描く。声優には、お栄役の杏、今作で声優初挑戦となる北斎役の松重豊ほか、濱田岳、高良健吾、美保純、筒井道隆、麻生久美子ら豪華俳優陣が顔をそろえた。

原監督は、かねて大ファンだという杉浦さんについて「天才ですね。僕には絶対に超えられない存在です。20代後半のころに杉浦作品と出合ったのですが、その後の僕の作品には杉浦さんからの影響が強く出ていると思います」と明言。さらに「この映画を作る上で最も苦労した点は、僕が原作を好きすぎることでした。あまりにも好きなので、絵コンテを描いている際に粗悪なコピーを作っているような気分になり、何も描けなくなってしまった時期もありました。こんなことは初めてです」と吐露した。

この日は、鈴木夫妻から原監督に花束が贈られるひと幕もあった。雅也氏は杉浦さんについて「妹はとても映画が好きでした。彼女が本作を見たら、文句なく大満足したでしょう。もし妹が横にいたら『お前の原作をこんなに上手く映画化してくれてすごいよね』と語りかけたと思います」と感慨深げ。弘子氏は「映画を見てとても優しい気持ちになれました。原監督をはじめとするスタッフの皆さんが日向子さんの漫画を新たに映画化してくださったことは本当に嬉しいですし、とても幸せな作品に仕上がったなと感じます」と話した。

鈴木夫妻の話を神妙な面持ちで聞いていた原監督は、「杉浦さんが生きていらっしゃったら気に入ってくれたことを願うばかりです。杉浦さんに見せて恥ずかしくないものを作ったという自負はあるので、お兄さんが言われたようにきっと満足してくださったと思います」と、力強い口調で作品の出来に対する手ごたえを語った。

「百日紅 Miss HOKUSAI」は5月9日より全国公開。

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