水谷豊が演じる天才小説家の北白川右京/[c]浅田次郎/集英社 [c]2015「王妃の館」製作委員会

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人気作家、浅田次郎の同名小説を映画化した『王妃の館』(4月25日公開)。ルイ14世が自ら改装を指示した歴史的邸宅を使ったパリの超高級ホテル“王妃の館”を舞台に、そこに集うツアー客の人間模様を描いたエンタテインメント。本作で人気作家、北白川右京を演じる水谷豊にその熱い思いを聞いた。

【写真を見る】水谷自らが描いたスケッチ。原作を読んでいる時から「すでに僕の頭にあった」と話す/[c]浅田次郎/集英社 [c]2015「王妃の館」製作委員会

執筆中は“小説の神様”が体に宿り、我を忘れるほど集中するという風変わりな性格の右京。外見も派手な衣装におかっぱ頭と、強烈なインパクトを残す。

実はこのスタイル、水谷自らが描いたスケッチがベースになっているのだ。水谷は「小説を読む時は、自分が主人公になりますよね。『王妃の館』を読んでいる時、僕の頭の中にあったのがこの姿でした」と、打ち明ける。

そして打ち合わせの時、その場でスケッチしたと驚きの告白。「北白川右京はどんなキャラクターだろうと話し合っている中で、僕が思い描いたのはこんな感じと描いたんです。演じる役のデザインを描いて人に見せたのは、実はこれが初めてなんですよ」。

ルイ14世を題材にした小説を執筆するため、王妃の館に滞在することにした北白川。自らの感性に従って行動する彼は、自由奔放な人物だ。

水谷は「これまでに演じたことがないくらい、あらゆる面で特徴的な人物」だと語り、その役作りについては「演じる時は役になりきり、もし北白川右京だったらどう感じるか、何を考えどんな行動をとるか考えました。新しい自分に出会えるのは、とても楽しいものなんです」と笑う。

全編パリが舞台の本作では、20日以上ものフランスロケが敢行された。その街並みをはじめ、ヴェルサイユ宮殿やルーヴル美術館を貸し切っての撮影も役に影響したようだ。

「生の空気や景色を味わうために、オフの日は地下鉄で移動しながらあちこち回ってみたんです。ヴェルサイユ宮殿では、マリー・アントワネットやルイ14世に思いを馳せながら、自分はかつてここで起きた出来事を小説にする役なんだと、不思議な感慨を覚えました」とふり返る。

世界中の旅行者が憧れる“王妃の館”に宿泊し、パリで王族気分を堪能する…一見豪華なようでいて、実はワケありなツアーに参加した人々の人間模様を描いた本作。水谷が新境地に挑んだという北白川右京の活躍に注目したい。【取材・文/神武団四郎】