マツコ・デラックスが語る「モー娘。」と「AKB」の大きな違いとは
コラムニストでタレントのマツコ・デラックスさんの人気が止まりません。この春からテレビのレギュラー番組が週9本になったマツコさん。またCM出演本数も9本(3月時点)。TVをつけたら、いつもマツコさんを見る、と感じている人も多いのではないでしょうか。
そんなマツコさんは、TVなどで自身のことを無趣味だと公言していますが、実はハマっているアイドルがいます。それは、「モーニング娘。」。マツコさんは以前から「モー娘。」のことを追いかけており、数少ない楽しみごとにしているそうです。
マツコさんは自著『デラックスじゃない』で、「『モー娘。』はベテランと入れ違いで若いのがどんどん入ってるんだけど、もう"伝統"とうか、"英才教育"というか、み〜んな、キャラが濃いのよ〜」とその魅力について熱弁。確かに矢口真里さんをはじめ、新垣里沙さんや田中れいなさん、光井愛佳さん、道重さゆみさん......と辞めていったメンバーのキャラの濃さは言うに及ばず、現メンバーの濃さもなかなかのもの。
「鈴木香音は、顔も身体もあの松坂季実子(誰だか知りたかったら、自分で調べなさいよ)みたいなの。佐藤優樹はかつて『オールナイトフジ』(フジテレビ系)に出ていた女子大生みたいに、古臭い顔をしている。もうひとり、生田衣梨奈も、スナックにいそうな雰囲気。決してセンターにいそうもない3人だけど、なぜか気になって仕方ないのよ」(同書より)
では、そもそも、なぜマツコさんは「モー娘。」にはまっているのでしょうか。
「アタシは、『アイドルおたく』的要素がまったくないファンだから、例えばAKBのような『報われない男が自己投影するような歌詞』は、分からない。『モー娘。』の『なぜかちょっと日本を背負っている感のある歌詞』のほうがグッとくる」(同書より)
確かに最近のモー娘。の曲には、「明日はない」「見得を切れ」「兜の緒を締め直して」といった他のアイドルには見られない力強い歌詞が。また、日本が不景気の真っ只中にあった99年当時に大ヒットした『LOVEマシーン』にも、「ニッポンの未来は 世界がうらやむ」という勇ましい言葉がありました。
「歌手の人はみんな商品なんだろうけど、その背景には、『その歌手に対して、ものすごく愛情を注いでいる人がいるな』ということが見えるじゃん。そんな熱量が感じられるから、ステージがおもしろくなるわけ。本人たちの気合いだけでなく、愛情、心血を注いだ人たちの集結した魂が。ステージの熱量になるのよ。『モーニング娘。』改め『モーニング娘。14』の最近の楽曲と踊りは、一般の人たちが食らいつくようなモノじゃないじゃん。踊りもシロウトじゃできない。これこそ、すごい熱量を感じさせるよね」(同書より)
歌謡曲のド真ん中をいくモー娘。の歌詞と、AKBの『恋するフォーチュンクッキー』とは真逆をいくモー娘。の踊り。簡単に理解できないからこそ、そこにかけている多くの人の熱量を感じることができる、というのです。
「一方、AKBの曲は、一般の日本人の心には届いてこない。なぜ伝わらないかというと、結局、ヲタ向けの歌だからよ。同じ恋の歌にしても、アイドルに妄想してセンズリこいている気持ち悪い童貞男の価値観にドンピシャの歌詞では、女の子や大人たちは共鳴できないじゃん。やっぱ、国民が共有できるメッセージが入っているかどうかっていうのは、大きいよね」(同書より)
なるほどと唸ってしまうマツコさんの「モー娘。論」。4月15日に、13人の新体制になったモーニング娘。'15が、新体制後の第一弾シングル『青春小僧が泣いている/夕暮れは雨上がり/イマココカラ』をリリース。PVで彼女達が見せるキレキレのダンスと歌は、確かにとてつもない「熱量」を感じさせてくれます。