思えば開幕以来、巨人は低空飛行が続いた。開幕2試合では「8番・小林誠司」が先発マスクを被り、3戦目は「8番・相川亮二」を起用。続く中日戦、2試合は小林で負け、1試合は相川に任せて3連敗した。そして4月3日、原辰徳監督は「99%ない」と断言していた阿部慎之助の捕手復帰を決めた。

 巨人不調の原因はなんといっても、主砲・阿部の不調だ。開幕からの6試合で一塁を守っていた阿部は20打数4安打と振るわず、打点もわずか3。それも犠牲フライの2点と内野ゴロの間に入った1点というお寒い内容だった。かねて原辰徳監督は「今の巨人は慎之助のチーム」と語っていたが、まさにその通りだった。

 その後、阿部が捕手に戻った阪神3連戦では、急に息を吹き返して11打数7安打と大当たり。チームも2勝1敗と勝ち越した。

 そうなると阿部を“定位置”で使う方がいいように見える。

 だが、1960〜1970年代に中日の正捕手として活躍し、捕手としては野村克也氏、古田敦也氏、谷繁元信に次ぐ通算1876安打の木俣達彦氏は、「打撃復調は偶然」と指摘する。

「キャッチャーの守備での負担の大きさは、私も体で知っています。私は2142試合のうち100試合くらいをファーストと外野でプレーしたが、そっちの方がバッティングに集中できた。今は不慣れなファーストでエラーも多いけど、やっているうちに慣れていく。

 シーズンを通してみれば、間違いなくファーストの方がいい成績を残せるはずです。私は阿部の打撃を生かすためというのなら、もう少し我慢して一塁を続けさせるべきだと思います」

 36歳という年齢もあり、故障がちな腰やヒザが完治するとは考えにくい。だからこそ、打撃を重視するならファーストを守らせるべきだというのが木俣氏の意見である。

※週刊ポスト2015年4月24日号