火山活動の影響で全島避難が4年半続く東京都・三宅村(伊豆諸島・三宅島)の平野祐康村長ら職員59名は17日夜、八丈島行きの定期船で三宅島に向け東京・竹芝桟橋を出港した。

 同船は18日午前5時10分に三宅島到着予定だったが、強風のために港に着岸できず、同日午前9時現在、終着地の八丈島に向けて航行中だ。同船は八丈島に到着後、東京に向け折り返すが、天候次第で午後2時半をめどに、三宅島に寄港する予定だ。

 村は、先行帰島後に島内の中学校校舎を臨時役場にして、約80人体制で業務を再開し、2月1日の避難指示解除に向けた村民受け入れの準備を本格化させる。平野村長は出港前、記者団に対し「住宅などを中心に、現場をしっかりと確かめたい。帰島がかなったので、神社へお礼に行きたい」と語った。搭乗口近くに80名を超える関係者が集まり、「三宅島がんばれ」と出港を見送った。

 村のアンケートによると、全村民約3000名のうち約2000名が避難解除後に帰島を希望している。だが、火山ガスの悪影響で、居住が困難な「高濃度地区」の157世帯・331名をはじめ、仕事や学業などの理由で早期の帰島が難しい村民も少なくない。

 村は、今後も東京事務所(港区海岸)に職員12名を配置し、都内に残る村民の支援や相談に応じる。【了】