今日も有明には、天才少女の活躍を期待した報道陣が数多くつめかけた。
森田あゆみ(パームインターナショナルTA)は14歳の現役中学生。
大会前は杉山愛とのダブルスが一番注目されていたが、シングルスも飛ぶ鳥を落とす勢いで勝ち進んでいる。

センターコートで行われた第2試合。
対戦相手に高雄恵利加を迎えた森田は、正確にコーナーを突くストローク、ロブを冷静に処理する能力、相手を左右に揺さぶる頭脳プレー、どれをとってもとても中学生とは思えない一級品のセンス。メンタル面でも安定しており、綺麗なフォームから繰り出されるミスのないショットで、落ち着き払って高雄を崩してゆく。パワーがない分、テクニックと戦略で勝負する森田は、6−3、6−3のストレートで危なげなく高雄を下し、見事8強に進出した。
これで名実共に今大会の台風の目となった森田あゆみ。史上最年少の全日本選手権制覇も夢ではないところまで到達した。天才スポーツ少女として、ゴルフの宮里藍、卓球の福原愛と並び称される存在になるであろう森田あゆみの今後に注目したい。

<試合後のインタビュー:森田あゆみ>

――ベスト8進出が決まって、いまの心境はいかがですか?

ひとつひとつベストを尽くした結果、ここまでこれたので、本当にうれしいです。

――今日の試合で重要だと思ったポイントはどこですか?

全部を集中してやろうと思いました。

――今日のシングルスでのプレイを採点してみて、何点ですか?

90点です。

――残りの10点は?

ゲームポイントの時にサーブを入れにいってしまったり、ロブをバックハンドで打ってしまったりしたところです。

――連戦の疲れはありますか?

あります。腰とお尻と太ももが筋肉痛です(笑)。

――これでシングルスは3回、戦ったわけですが、手ごたえはありますか?

一回戦で取れなかったところも、今では取れるようになりました。気持ちの切り替えもできるようになったと思います。ここまでこれたのはいい経験で自信にもなると思うので、この結果に満足しないで、明日もベストを尽くします。