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デスク余話『ああ団塊たちよ』

六本木編集週報No.32

【ライブドア・ニュース 2007年01月06日】− ニュースセンターも5日から本格的始動。正月はまた家族間での殺人事件がたびたび起こり、やるせない思いにさせられたが、経済活動はおおむね順調のようだ。

 ところで、今週はニュースコラムの出稿では「団塊世代」を取り上げた。言うまでもなく、1947年から49年の第1次ベビーブームの間に生まれた人々のこと。この人たちが今年から、大量に退職時期を迎える(もちろんサラリーマンだけだが)ことが話題になっている。正月の紙面でも、全紙を点検したわけではないが、今年のテーマとして取り上げている新聞社は複数あったようだ。

 私の言いたいことはコラムでほぼ意を尽くしているものの、紙幅の関係で「団塊ジュニア」については触れることができなかった。ここで、ぜひ触れておきたい。

 これまで一般には、第2次ベビーブームと呼ばれた71年から74年に生まれた世代を指すことが多かったが、「カルチャースタディーズ研究所」主宰の三浦展(あつし)氏が、男女の結婚適齢が違うことから、出生者の過半数が団塊世代の親によって占められる年代を統計的に調べ、73年〜80年に生まれた子どもを「真性団塊ジュニア世代」と命名している。現在ではこちらが広く受け入れられているようだ。(同氏が書いた『マイホームレス・チャイルド』より)

 まあ、そのことはともかく、多くは「新人類」「宇宙人」などと呼ばれた年代に重なるこの人々は、まず自分の好きなことしかやらないという性向を持っている。三浦氏は親の年代が持っていた手段重視(つまり学歴や仕事など)の価値観をインスツルメンタル、子どもたちのそれ自体が面白いからやるという価値観をコンサマトリーと読んで区別しているが、これはこれとして当を得た議論といっていいだろう。要するに我慢をしてきたのが親の世代であり、まず好きなモノを簡単に手に入れてきたことと、好きな人と好きなことしかやらない団塊ジュニアとは決定的な違いがあるということである。

 私は、親自身も認める団塊ジュニアへの甘やかしは、現代社会にも大きな影響を与えていると思っている。そして、それは団塊世代の大きな“責(せめ)”に帰する部分であると思うのだ。つまり、既成の価値観を壊すことに熱心だった親の世代は、新しい価値観を見いだし得ないまま、子どもを叱(しか)ることができなくなっていった。そして、現在のモラルを欠いた社会状況につながった。

 団塊世代はすぐには責任を認めることはないだろう。何といっても、自分の生き方には自信を持っていますからね。しかし、「自分はくだらない受験勉強をするしかなかったから、子どもは自由にさせてやりたい」とか「私は高校しか出ていないけど、あなたは大学へ行ってね」とかいう親の言葉には、どこかダブルスタンダードの匂(にお)いがあることに、団塊ジュニアは気づいていた部分があるのではないだろうか。何よりも団塊世代は、対社会に向けた言動と、内向きの生活感覚にかなりの落差があった年代だと思うのである。

 ニュースコラムにも書いたこの世代のヒーロー「課長島耕作」(現在は専務)は、女性にモテモテであるばかりでなく、異例の出世を遂げるサクセスストーリーの主人公だ。けれども、これはあくまで物語の世界。作者の弘兼憲史(けんしと読みます)氏は現実のディテールにこだわるリアリティー派として有名だが、スーパーヒーロー島耕作には現実感は期待しない方がいい。私はむしろ、この物語に島いびりの徹底した嫌われ役として登場する、今野輝常(元福岡ハツシバ販売センター社長)にかなりのリアリティーを感じる一人だ。

 いますよね、こういう人。セクハラ日常茶飯事、他人をいじめて喜ぶような人間。結局、最終的には島はこの今野と和解するのだが、現実はそんなに甘くないのもサラリーマンの世界ではないか。チョイワルおやじに変身して「あわよくばモテテやろう」などと、ゆめ思わないように…。【了】ライブドア・ニュース 満富俊吉郎
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