紅白いらない、もうヤメたら?という意見がある。まことにもっともな話だ。

   今年57回目を迎えるNHK紅白歌合戦だが、視聴率は年々低下の一途。ビデオリサーチによれば、13回(1962年)ごろには80%以上の視聴率を稼いでいたのが、55回目にはついに39.3%(関東地方)。大台の4割を切った。昨年は、みの”視聴率男”もんたが司会をつとめたご利益か、なんとか下げ止まり、第2部で40%を回復した。しかし、今年はまた最低視聴率を更新するのではないかと囁かれている。

歌手も司会もみんなマンネリ

   サザン、松任谷由実をはじめ、出演を依頼した大物にソッポを向かれるのは当たり前。かつては見向きもしなかったようなアーティストからも足蹴にされる紅白は、ボブ・ディランに「ハウ・ダズ・イット・フィ〜ル♪(Like a rolling stone)」と歌われた女を思い出させ、哀れを誘う。

   番組内容はたしかにマンネリだ。サムいコントに十年一歌の演歌。大トリはいつものサブちゃんである。ひさしくヒットのない和田”ゴッド姐ちゃん”アキ子だって、当たり前のように15場所連続出場中(通算30回は現役最多)。

   司会は3回目の中居正広と2年連続の仲間由紀恵のコンビで、これまた新味はない。

   やっぱり紅白なんていらない!? いや、しかし――である。世の中はただでさえ、DMや請求書、督促状、差し押さえ予告など、いらないもので溢れている。テレビ番組にしても、不要なのは紅白に限らないだろう。それを考慮に入れないのは公平さを欠くというモノだ。筆者独自の調べでは、紅白以上に不要な番組は少なく見積もって108はある。そもそも、いらなくないテレビ番組があるのかという点も疑ってかからなければならないだろう。

暖かく見守ってあげるのが最上の策

   それに何事もヤメ時というのは難しい。

   紅白もまだ57歳の現役であり、人生の閉店までにはまだまだ時間が残っている。たとえ1000回ハマっていたとしても、それを取り戻すだけのアラジン・チャンスはあるのだ。ここから紅白がディープ・インパクト級の飛びを見せ、視聴率はウナギ登りに――ならないとも限らないではないか。

   紅白はきっと、そんな夢を見ているのだろう。長島茂雄なみにポジティブ・シンキングなお人なのだ。今後の見込みはないからもうやめておけ、と言われても意に介さない。あのロシナンテの御者のように突撃をやめることはない。

   この手の人にはなにを言っても無駄なのだから、いっそのこと、暖かく、楽しみながら見守ってあげるのが最上の策ではないだろうか?

   当J-CASTテレビウォッチとしても、ぜひみなさんに「夢の紅白」を観て楽しんでいただきたいと思ってる次第なのである。では、そのためにどうしたらいいのか。以下、具体的に紹介していこう。