インターネットが普及し、子どもたちが犯罪やトラブルに巻き込まれるケースが少なくない。東京都はこのほど、小学生の子どもを持つ保護者を対象に、インターネット・ゲームに関する家庭のルール作りを支援する冊子「ファミリeルール」を作成した。都は今後、地域ごとにワークショップを行い、冊子に基づいて家庭でのルール作りを推進する予定だ。

 冊子には、「チェーンメールが届いた」「インターネットで人と知り合う」など6事例が掲載されている。グループワークで事例について話し合いながら子どもたちが陥りやすいトラブルなどを学んだり、子どもから受ける質問を想定してあらかじめ答えを考える構成で、より具体的にルールを作れるよう工夫されている。

 また各事例の最後には、子どもが宣言するという形式で、実際にルールを作る項目が用意された。掲示板への書き込みの場合、「私は、インターネット上の掲示板では、相手の立場を考えて書き込みをします」「約束を守れなかったら、1週間トイレ掃除をします」とルール作りを二重構造にして、効果のアップを狙っている。

 青少年・治安対策本部・心の東京革命推進担当の黒田浩利課長によると、ネットの危うさを認識している保護者は少なく、ネットのページを閲覧できるものとできないものに分別する「フィルタリング」ソフトを導入する家庭も少ないという。黒田課長は「子どもにインターネットを使わせることはどういうことなのか、まずは親自身に気づいてもらうことが大事。フィルタリングソフトも、ネットが危ないからという認識で使うようになってほしい」と呼びかけている。

 都は冊子を活用した家庭のルール作りを広めていくため、グループワークの進行役として「ファシリテーター」を養成し、都内各地でワークショップを展開する予定だ。冊子「ファミリeルール」は、ウェブサイト「心の東京革命」からダウンロードすることができる。【了】

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