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日興コーディアルの有証虚偽記載とホリエモン(上)

【PJ 2006年12月20日】− 証券取引等監視委員会は18日、日興コーディアルグループ(金子昌資議長)に対して課徴金5億円の支払いを命じるよう監督官庁である金融庁に勧告した。同グループは平成17年3月期連結決算で経常利益を実際は590億円のところ777億円にと粉飾を行い、同年11月に一般募集による500億円の社債発行をしたことが、証券取引法第172条第1項に規定する「重要事項の虚偽記載がある開示書類に基づく募集により有価証券を取得させた行為」に該当するとされた。

 その同じ日に、同グループは同期連結決算の有価証券報告書の訂正を決定、発表した。報道によると、記者会見には杉岡広昭副社長以下幹部が出席、1年半前に確定したはずの決算の唐突な訂正の理由を「昨年末から社内調査を進めたが最近、子会社の日興プリンシパル・インベストメンツの担当社員が不適切な手続き(利益水増し)をしたうえ事実を隠していたことが発覚した」と説明した。さらにその決算操作は「一社員がミスを隠すため書類を偽造したため」であり、「結果的に(グループ連結決算が)膨らんだ利益を計上した」もので、「意図的な利益の水増し」や「組織ぐるみ」ではないと弁解した。

 一部上場会社の有価証券報告書に記載された経常利益など最も重要な数字がたった「1人の社員による過失と隠蔽(いんぺい)」によって大きく異なり、誤った決算となったと弁明したのである。

 傘下に日興コーディアル証券(従業員数6969人)、日興シティグループ証券(同1600人)等を抱える国内三大証券の一角を担うグループの連結決算がただ一人の平担当者の過ちで187億円もの水増し決算になってしまったと言うのであれば、この会社の決算手続き決裁、内部管理体制そして会計監査を担当した旧中央青山監査法人のコンプライアンス体制はどうなっていたのか、その目は大きな節穴であったと言わざるをえない。

 しかし、どう考えても一担当者の過ちで起こった誤りというには金額の大きさと誤った決算後に図ったようなタイミングで資金調達を行ったという経緯に不自然さを覚えてしまう。常識的には考えづらいと言う方が、大方の理解を得られるのではなかろうか。

 東京証券取引所は最近、その上場規程(「上場有価証券の発行者の会社情報の適時開示等に関する規則」)を改正し、平成17年1月1日以後に決算期を迎える会社はその有価証券報告書及び半期報告書について代表者が署名した「不実の記載がないと認識している旨及びその理由を記載した書面」いわゆる「確認書」の提出することを求めることとなった。

 その改正を受けて日興コーディアルグループも今回の訂正決算期で、有村純一代表執行役社長直筆の署名がなされた確認書が6月24日付けで提出されている。【つづく】

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パブリック・ジャーナリスト 野田 博明【 東京都 】
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