『カップヌードル』から『一平ちゃん』まで幅広いカップめんブランドを抱える巨大めんグループが誕生する=11月の記者会見で握手する日清食の安藤社長(右)と明星食の永野社長(資料写真:吉川忠行)

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即席めん最大手の日清食品<2897>は15日、業界4位の明星食品<2900>に対して14日までの約1カ月間実施していた友好的なTOB(株式公開買い付け)が成立したと発表した。14日終値より90円上回る870円の買い付け価格に対し、発行済み株式総数の86.32%(3676万4910株)の応募があった。

 日清は応募株すべてを総額320億円で買い取り、22日付で明星を連結子会社化。1兆4000億円規模とされる国内めん市場(外食除く)で22.9%を占める巨大グループが誕生することになる。東京証券取引所では、大株主上位10者の持ち株比率の合計が発行済み株式数の75%を超えた場合、上場廃止とする基準(猶予期間1年)があるため、明星株は上場廃止になる見通し。

 明星をめぐっては、筆頭株主の米投資ファンド、スティール・パートナーズが1株700円で11月27日までの1カ月間に敵対的なTOBを実施。その後、明星から支援要請を受けた日清が協業によるシナジー効果を強調したTOBで応酬したことを受け、スティール側には応募株がなく不成立に終わっていた。

 スティールは保有する23.1%分の株式すべてを日清のTOBに応募したため、売却額は85億円に上り、36億円の売却益を確保したもようだ。【了】

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