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エベレスト街道にも、ついに反政府ゲリラが出没(下)

エベレスト街道にも、ついに反政府ゲリラが出没(下)
山村信太郎さんたちトレッカー5人は、世界最高峰のエベレストの眺望を満喫した。帰路でも、ふたたび反政府ゲリラに遭遇する。(写真撮影・提供:栃金正一さん)
【PJ 2006年12月15日】− (中)からのつづき。かれらは通行料として一人当たり2500ルピー(日本円で約3000円)を要求してきた。シェルパやポーターからは徴収しない。要求先はどこまでも外国人のみだった。マオイストは政府軍や警察を武力で襲う。外国人の場合は金を出せば、基本的に危害を加えない。反面、抵抗したり、逃げたりすれば、かれらは組織力で対抗してくる。

「ゲリラ組織はこわい。目のまえの軍人が強いか、弱いかではない。金を払わないものは、マオイストに敵対すると見なす。一般市民であろうと容赦なく制裁を加えるのです」とリーダーだった上村信太郎さんは話す。

 日本人は5人。日本円にすれば約1万5000円相当。現地人にすれば、一家が1カ月5000円で生活ができる、大金だ。「この先、山に登れなくなる金額ではない」と判断した上村さんは、要求どおりの金額を支払ったのだという。

「エベレスト街道で襲われた、世界で一番初めの被害者だと、シェルパが話してくれました」。政府軍は無関心でいられなかったのだろう。「この日の宿泊地ナムチェバザールのちかくに駐在する、陸軍兵士が訪ねてきて、私たちのシェルパから、遭遇したマオイストのことをくわしく聴取していました」とおしえてくれた。

 9日後、上村さん一行が下山したときも、マオイストたち(いずれも若い軍服を着た兵士)は、こんどは場所をパグディンというおなじ集落のドウドーコシ川左岸に移して通行料を徴収していた。「カトマンズに戻ってからの情報によると、その後通行料が高すぎるとの世論や新聞報道に押されたのか、大幅に値下げしたようです。また、通行料の支払いを殺されても、断固拒否だと宣言したイスラエル人トレッカーからは徴収できなかったらしい」と、上村さんは語る。

 それらの情報から判断すれば、マオイストたちは、この地区ではまだ地に足がついていない状況のようだ。しかし、今後は勢力を拡大してくる可能性が高い。トレッカーには要注意だ。

 上村さんたちは、下山後には現地の旅行会社から、奪われた金額は補填としてもらったという。「旅行会社は、今後も続くようだと、旅行者の代金に上乗せしたい、と話していました。しかし、パッケージ・ツアーを組む旅行社は、あまり大袈裟にしたくないでしょう。客が怖じ気づいて、エベレスト街道を敬遠すれば困るから」と語る。

 海外の旅行先にはけっして安全なところはない。そう思ったほうが利口だ。上村さんは貴重な体験から、「ネパールの場合は政情が不安定です。かならず最新の治安情報を入手し、対応策を考えておき、慎重にエベレスト街道に入ることです」とアドバイスを授けてくれた。【了】

■関連情報
○外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐に関する問い合わせを除く)
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)5140
○外務省 海外安全ホームページ: http://www.mofa.go.jp/anzen/
○在ネパール日本国大使館
  住所:1253 Narayan Gopsal Sadak Panipokhari, ward No.3
    (North), Kathmandu, Nepal
  電話: (977-1) 4426680

記者HP:穂高健一ワールド
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パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一【 東京都 】
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