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東京下町を守る! 『中川』初のスーパー堤防工事(下)

東京下町を守る! 『中川』初のスーパー堤防工事(下)
特許をとった、コンピューター管理による特殊な工事・CDM工法(変位低減型)で操作をおこなう。三点杭式深層混合機による、地層へのコンクリート注入がおこなわれているところ。(撮影:穂高健一、11月30日)
【PJ 2006年12月11日】− (中)からのつづき。護岸根固工事(地盤を固める改良)と、築堤工事。この二つが合わさって、スーパー堤防工事とよぶ。東京都による『中川(東立石地区)スーパー堤防事業』は『根固め工事』と平行して、『盛土工事』も進行している。

 今回工事の盛土の規模は2250立方メートルで最大3メートルほど盛る。「盛土材は『東京都建設発生再利用センター』(江東区・青海二丁目)から運んできます」と、東京都江東治水事務所の高潮工事課の田端滋夫係長が教えてくれた。同センターは都内近郊で建設現場、地下掘削工事で発生した土が集まってくる。改良土は有料だが、普通土(改良しない土)はゼロ円。だが、搬送コストはかかる。

 盛土の土工事は見た目とちがった、苦労がかなり多そうだ。雨が降ると盛土がぬかるんで工事が止まる。一度雨が降ると乾くのに3、4日は必要だし、この間は工事が止まる。盛土が乾けば、川風で住宅地に飛散する。その対策として芝を植えたり、薄いアスファルトで皮膜を作ったりして、土が飛ぶのを防ぐ。

 「大都会で土木工事となると、うるさいし、交通渋滞を引き起こすと、嫌がられるものです。しかし、地域住民はスーパー堤防ができれば将来が安心できるし、関心は高く、協力的です」。大達土木の橋本勇さん(工事統括部長)は、かつて静岡県大井川築港工事、三国山航空レーダー基地道路工事などに従事してきた大ベテランだけに、土木工事に精通した口調で話す。 

 現場は区立本田中学校の目の前だ。護岸道路には朝夕に散歩する人、隣り合う広場では住民が犬を遊ばせている。客土を運ぶダンプや最大12トンのセメントを積載した車が、通学路や生活道路に入ってくるのだから、橋本さんはかなり気を使うようだ。汚れたトラックには洗車を義務づけている。

 管理面での苦労は護岸根固工事にもあるようだ。三点式深層混合杭打機で一本杭を打ちはじめると、作業終了時間がきたからといい、途中でセメントスラリーの注入を止められない。遅くまで工事をやると住民から苦情がくる。あまり早く手前で止めてしまうと、工事に遊びが出る。橋本さんは時間管理もシビアにならざるを得ないようだ。

 中川初のスーパー堤防の完成は、東立石地区ではじめて完成する。それは中川全域から見れば、ほんの一部だ。高砂地区、西新小岩地区の工事も予定されているが、どの場所をとってみても、川の背後は密集地だ。用地買収は難航が予想されるというよりも、全域は無理だろうと思える。それでも、東京都は中川全域への目標を持って進む。

 今回、現場を見学させてもらって、東京都のスーパー堤防の整備工事が都民の生命と財産を守るために、想像以上に大規模におこなわれていることを知った。大都市の災害対策は甘いと、マスコミ関係者の多くは他人事のように批判する。だが、東京都は大災害に対する安全性を高めるために、費用と時間をかけて着実に進んでいると、世に伝えたいと思った。【了】

■関連情報
記者HP:穂高健一ワールド
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一【 東京都 】
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