7日、東京・霞ヶ関で行われたヘルスツーリズムに関するシンポジウムで、話をするNPOイムノサポートセンターの西村孝司理事長。(撮影:久保田真理)

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つらい花粉症にさようなら――。スギ花粉疎開ツアーを中心としたヘルスツーリズムに関するシンポジウム(NPOイムノサポートセンター主催)が7日、東京都千代田区の全日通霞ヶ関ビルで開かれ、専門家らが講演を行った。

 ヘルスツーリズムに詳しいNTTデータ経営研究所の鈴木紀秀氏が講演を行い、現状と今後の展開を話した。ヘルスツーリズムというのは、健康増進などを目的とした観光のことで、近年、地域活性化やシニア層の拡大から注目されてきているという。温泉プールで運動したり、ホテル並みの施設で断食を行うなどさまざまな形態が見られ、「楽しさ、心地よさ(のレジャー面)と健康効果を実感できる面の両方を併せ持っている」と解説。今後の課題として、ツアー内容の質を高めることや、フィットネスクラブや健康保険組合と連携して、的確に情報提供することなどを挙げた。

 引き続いて行われた基調講演では、北海道大学教授で同NPOの西村孝司理事長が、スギ花粉疎開ツアーの概要などについて説明した。このツアーは、花粉が大量に飛び交う春先に杉を植えてない地域に避難し、食やアクティビティを通じて健康増進を図るもの。2005年、06年3月に北海道上士幌町で4泊5日のモニターツアーが実施され、健康に関するセミナーや森林散策などが行われた。参加者は花粉症で鼻がつまっている状態で、食事がとれない、頭痛がする、ぐっすり眠れないなどの悩みがあったが、滞在期間中に劇的に改善し表情が変わったという。西村理事長は「大自然の中で健康を考えるきっかけになる」と話し、同ツアーの効果を強調した。

 JTB北海道とJTB沖縄は6日、北海道・沖縄エリアでの「花粉症疎開ツアー」を商品化すると発表。07年3月に3泊4日の予定で実施される。【了】

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