今、日本人の3人に1人は痔の症状に悩む“痔主(じぬし)”って知ってました? でも、なぜ今、痔が増えているのでしょうか??

 まさか、日本人の体質や日本の気候に原因が・・・? いえいえ、そんなことはありません。実はこの“痔主”増加現象、日本だけの問題ではないのです。痔の発生率だけを見てみると欧米諸国も日本と同じ、もしくはそれ以上の割合で痔を発症しています。そもそも“痔”というのは、肛門周辺の病気の総称で、肛門に負担をかけることで起こる病気なのです。さかのぼれば、人間が二足歩行を始めた時から肛門に大きな負担がかかるようになり、そのときから人間と痔の長い長いお付き合いが始まったのです。

 それが今、こんなにも多くなっているのには大きな原因があります。それは、私たちの生活習慣・・・。偏った食生活と運動不足から起こる慢性的な冷えや便秘、さらには一日中同じ姿勢で座りっぱなし・・・。このようなことが、肛門にさらに大きな負担をかけ、痔を引き起こしているのです。

 さらに、他の国にはない日本人“痔主”ならではの大きな特徴が! それは、一度かかると長期に渡って“痔主”であるという点です。これは、日本の国民性から、痔で病院に行くのが恥ずかしく、治療が遅れ症状が悪化してしまうことが原因で起こるといわれています。このため、特に日本人はより長く痔と付き合っている人が多いというわけなのです。

 そんな多くの人を苦しめる痔ですが、日頃から生活習慣を改善し、予防を心がけることが大切。以下のようなことに気をつけると予防できるようです。

(1)毎日お風呂(湯船)に入る (2)おしりを清潔にする (3)便秘を改善する (4)下痢をしない (5)腰を冷やさない (6)座りっぱなし、長時間同じ姿勢をしない (7)酒、コショウなど刺激物は控える (8)トイレは短時間で済ませる (痔の専門クリニック「八王子クリニック」のWebサイトより)

 また、痔の治療は早期発見が大切。「痔かな?」と思ったら恥ずかしがらずに、すぐに病院に行きましょう。それが“痔主”脱出の一番の近道なんです! (石橋夏江/verb)

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八王子クリニック - 文中で紹介した「八王子クリニック」のWebサイト