セックスをしてもオーガズムを感じない女性の話を聞いたことがある人は多いはず。そのような状態を「不感症」や「冷感症」というのだが、性欲はあるのにオーガズムを感じない場合が「不感症」、性欲そのものを感じない場合が「冷感症」なのだとか。医学的にはこの2つの症状は「性的快感消失症」として括られ、「性的欲求低下障害(HSD)」として分類されるんだって。

 不感症や冷感症の原因の3分の1は遺伝とも言われているけど(2005年、英国学士院の『バイオロジー・レターズ』より)、半分以上は人生経験や環境、人間関係などによる後天的な要因によるものなんだそう(先天的な場合もあるけど)。またオーガズムを感じられなくて悩んでいるのは女性だけなのかと思っていたら、男性にもいるみたい。世界で最も広く利用されている医学手引書『メルクマニュアル 第17版 日本語版』によれば、性的欲求低下障害は「女性の20%、男性の10%に発生する」と書かれている。

 イクことができなくて悩んでいるケースは雑誌などでもよく取り上げられているけど、逆にイキすぎて・・・オーガズムを感じすぎて悩んでいる人もいるって知ってた?

 これ、「持続性性喚起症候群(PSAS)」という病気なのだが、とあるサイトの体験談によると、電車の揺れにいちいち反応して快感を覚えてしまったり、肩を叩かれたり携帯電話がポケットの中で振動するだけでイッてしまうのだとか。つまりHな気分になっているわけではなく、ただ日常的な行動をしているだけなのに、性的な快感を覚え続けてしまうというのだ。

 PSASは2001年に初めて報告された病気で、患者の数や症例も少ないことから、今のところ治療法は見つかっていないそう。原因は精神的な問題や薬の副作用、骨盤血管の異常・・・など、いろいろ言われているが、はっきりしたことはわかっていない。


 それにしても、肩を叩かれるだけでイっちゃうって、どんな感じなんだろう? 公衆の面前で性的快感を抑えられないのだから、この病気を患っている女性はかなりの精神的ダメージを被っていそう・・・。これを読んで「もしかして私、PSASかも・・・?」と思い当たった方、恥ずかしがらずに医師に相談したほうがいいですよ! またPSASや不感・冷感症の疑いがあるかもと思った女性は、まずは婦人科で診察を受けてみて。(遠藤麻衣/verb)