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えっ!野菜がタダ。農家で暖冬の影響深刻化(上)

えっ!野菜がタダ。農家で暖冬の影響深刻化(上)
白菜は手前から倒れて腐っていく。勿体ないといえば、「完熟物だから、早出しの市場物より美味しいよ。好きなだけ持っていきな」と農民はいう。栃木県・小山市で。(撮影:穂高健一、11月26日)
【PJ 2006年12月03日】− この秋は気温が高く、野菜の生育が従来よりも早く、市場価格が暴落した。農家の痛手はいかなるものなのか。栃木県小山市の農民作家の山中康司さん(59)の家を訪ねてみた。小山駅から車で市街地を抜けること約15分で、田園風景に取り囲まれた、目的地の農家に着いた。

 山中さんは代々の生粋の農家。研究熱心な山中さんは、約8年前から有機栽培に着眼し、土地改良に取り組み、無農薬の野菜づくりに専念してきた。同様に、米作おいても国内でいち早く合鴨に雑草を食べさせる、無農薬の米作りをおこなった。そして、周囲にも推進してきた。それらの実績が買われ、いまは生協との契約農家となっているのだ。

 山中さんは生協にレタスの納品に出かけるところだった。帰宅までの約1時間は、夫人が耕作地まで案内してくれた。夫人は元小学校教諭で、3年前に退職し農業に専念する。まだ農業が板についていない感じ。「半人前の農婦です」と夫人も認めていた。

 耕作地のレタスは収穫を終えていた。大根、にんじん、ほうれん草などは収穫待ち。家族が食べるミブナは育ちがよく、市販のものよりも5〜10倍の大きさまで育っていた。

 野菜価格が暴落しても、山中さんの場合は生協との納入価格が長期契約だったことから変動が小幅。他の農家よりも被害が最小限ですみそうだ。

 「逆に、レタスが1箱数千円に暴騰しても、ただ指をくわえています」と夫人は話す。実際に、三年前は台風と長雨から不作で、キャベツが青いダイヤだといわれたときがあった。暴落したいまでは、まったく考えられない価格だ。

 畦ひとつ離れた、白菜畑はいっさい収穫されていなかった。一玉は店頭にならぶ物よりも、はるかに大きく成長していた。畑の持ち主は70歳代半ばの老夫婦だという。「70代のふたりが炎天下の夏に苗を植え、3カ月間もかけて丹精を込めて作ったのに、収穫期にはこのさまですから」と気の毒がる。

 キャベツを詰めるダンボール箱が一箱100円。それでも収穫し、搬送費をかけて市場に持ち込めば、箱代の100円よりも安い納入価格になるときがある。単純に考えても、収穫しないほうがよい。老夫婦は収穫の気力をなくしている。このまま畑で放置すれば、いつしか黄色い花が咲いてしまうという。

 自分たちの人件費がまったく回収できず、ただ働き。他方で、苗を購入した代金、肥料、除草の農薬、ビニールハウスなどの経費がいっさい取り戻せていないのだ。「遊んでいたら、経費はかからなかった。そのほうが利口だった、と嘆いている方が多いです。欲しければ、タダであげるからもっていきな。という農民もいます」と教えてくれた。

 これから先に苗を植えても、収穫できるのは約3カ月も先。その間は収入がない。前後併せれば、6−7カ月間は無収入。老夫婦の収入源は一人6万円強の年金だけになるらしい。【つづく】

■関連情報
問い合わせ先
小山市・山中康司さん
FAX 0285−27−1803

関連項目
記者HP:穂高健一ワールド
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一【 東京都 】
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