インフルエンザの流行は、例年12月上旬─1月の上旬に始まるとされる。その流行期を前にして、東京都は11月30日、新型インフルエンザ患者が発生したことを想定した対策訓練を実施した。参加したのは、福祉保健局など16局100人。05年12月に策定された「新型インフルエンザ対策行動計画」に基づき、同訓練は関係局が連携して初めて実施したもの。

 新型インフルエンザとは、これまでヒトに感染しなかった新しいタイプで、鳥インフルエンザが変化して発生するという。その発生方法は、鳥インフルエンザの突然変異か、鳥とヒトの2つのインフルエンザが交じり合ってできる遺伝子再結合のどちらかと考えられている。予防方法については、従来のインフルエンザと同様、十分な睡眠と栄養で体力を維持するほかに、手洗いやうがい、室内の加湿・換気、またマスクの着用などが挙げられるが、ワクチンができるのに約6カ月を要するため、大きな被害が心配されている。

 都内初の新型インフルエンザ患者が発生したことを想定した同訓練は、患者発生時の情報収集や封じ込め対策、都内での多数の患者が発生した場合の対応、また、各局との連携などのシュミレーションを実施。現在、インフルエンザの治療薬として、一般にノイラミニダーゼ阻害薬(商品名:タミフル)が使用されており、このタミフルは新型インフルエンザに対しても効果が期待されていることがあって、国や地方自治体は同阻害薬の備蓄を進めている最中だ。都でも、100万人分の備蓄を準備中という。【了】