日本にいる外国人の暮らしぶりを知って欲しいと、在日外国人らが26日、「円卓会議」(NO BORDER 2006主催)を法政大学市ヶ谷キャンパス(東京都千代田区)で開く。2002年の日韓共催ワールドカップの際に「自分たちにできること」をしようとボランティアグループを作った人たちに、大学生や研究者が協力して実現することになった。

 在日外国人は200万人を超えたとされ(05年末、法務省調べ)、出身地やエスニシティーが同じ外国人同士がグループを作る地域も増えている。しかし、地元住民との関係がうまくいかず、地域内で孤立化する例も多い。同会議は、子どもの教育や地元住民からの偏見など、外国人に共通の問題を連帯して解決するネットワークを築くきっかけを作るとともに、自らが抱える問題を解決しようと努力する外国人の存在を“認知”してもらうことを目的としている。

 ライブドア・ニュースの取材に、呼びかけ人の1人であるノンフィクション・ライターの姜誠さんは、「すべての外国人がまとまって1つのグループを作ることを目指してはいない。同じ地域にいる人が問題や不安を解決するための情報をシェアし、互いに協力できれば」と語った。韓国系と朝鮮系、台湾系と(中国)大陸系など、外国人同士で反目しあうグループが存在するが、同会議ではそうしたグループの融合よりも個人レベルでのつながりを目指す。「究極的には、地域の安全対策や問題解決を日本人と外国人がともに行い、多様な存在が許容されるようになってほしい」と姜さんは加えた。

 円卓会議は、午前10時から午後5時半まで。入場無料。“日本最大のブラジルタウン”群馬県大泉町などの外国人事情が報告されるほか、在日コリアンのラッパーユニット「KP」や日本語とポルトガル語によるヒップホップグループ「天才's MC」のライブなども行われる予定で、日本に根付き始めているさまざまな文化を体験できるという。【了】

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