LDM株式100分割

── (質問者が藤野検察官に戻る)あなたは04年11月1日に宮内さんから「(バリュークリックジャパン=LDM、ライブドアマーケティングの前身の株式を)100分割してほしいんですが」とあるメールに返信している。

 「100分割してほしいんですが」という部分に反応して、100分割了解という意味だと思う。VCJ(バリュークリックジャパン)も完全子会社化をあきらめた状態だった。だったら投資単位を下げて、投資家が株を買いやすくなるように考えていた。

── 他の部分は無視したのか。

 サブジェクトに100分割とかありますし、それ以下は無視したというか、基本的に100分割くらいまでしか読んでいない。

── (証言席の堀江被告の横に立ちながら)それ以下にも文章があることは分かっていたか。

 今は分かる。

── 以下に文章があることは分かっていたか。

 ああ、なんか下にダラダラかいてあるなー、と。

 (政木弁護士)被告人の横に立って質問することはないのでは。威圧的ではないか。

── すぐ、席に戻りますよ。

 全然、威圧的じゃないっすよ。大丈夫です。

── 最後まで読まないと分からないのでは。

 私は「100分割してほしいんですが」という部分に反応して了解している。これは、3行目に書いてあるから分かる。僕は本にも「メールは簡潔に」と書いているが、宮内さんには分かっていただけなかったみたいで。ダラッダラ書いてあるじゃないですか、訳分かんないこととか。

── 被告人は岡本(文人)さん(当時、VCJ=のちのライブドアマーケディングの社長)に対して04年11月5日に、「100分割をやりましょう」というメールを書いた事実を、「香港にいた時に、宮内さんから(100分割を渋る)岡本さんをプッシュするよう電話がかかってきて、メールを書いた」と公判で証言しているが、宮内さんから電話がかかってきたというならよほど重要な案件と思わなかったか。

 たぶん、なんで香港まで電話かけてくるんだよ、うざいな、と思ったと思う。

── 宮内さんからの電話で岡本さんが悩んでいると聞いて、プッシュしようと思ったのではないか。

 仮にそう聞いていたら、「不安に思うことはない」とメールに書くのでは。書いてあるのは「取引単位を下げないと、なかなか個人は買えません」と言ったことだ。

── あなたは「メールは簡潔に」と言っているが、このメールは長々と書いてある。

 冗長だといっても、2つの用件が書いてありますよね。「100分割やりましょう」で5行、別の件で3行、合わせて8行だ。非常に簡潔に書いてあると思う。

── 一言で終わる(いつもの)あなたのメールに比べれば、丁寧ですよね。
 僕は無数にメールを送っていると思うが、統計データをとって言っているのか。この8行を持ち出して、どうかと言われてもどうかと思う。

── 海外から送っているのだから、あなたは重要と考えていたのではないか。

 全然重要でないですね。

── 岡本さんは堀江さんからのメールの返信で「LDの利益とVCJの利益を考えて腹くくりましたよ」「VCJとLDの取締役でもあり、ファンドの存在を知っている社長と私の万が一のリスクを考え」とある。

 なんのことかさっぱり。

── 「はいはい、肝心なところはヘッジできていると思うので、大丈夫ですよ。今度話しましょうか」と送っていますよね。

 「はいはい」といなしている感じですよね。100分割したくないんだろうけど、あー、面倒くせえと思ったから「はいはい」と書いた。具体的なヘッジ内容は知っているわけではない。なんで100分割が心配なのか分からなかった。
「話しましょうか」と書いてあっても、岡本さんも法廷で私と話をしたとは言っていないと思う。「話をしましょう」と書いておいたら、この話は終わると思って書いた。

── あなたは株式分割で大幅に利益が上がると思っていたから、岡本さんに熱心に働きかけたのではないか。

 まったく違いますね。そう思っているのならば、僕の性格なら上方修正していますね。(つづく

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