女性の人権に対する暴力の根絶に向けて、「女性に対する暴力をなくす運動」が12日から全国で始まった。法務省と全国人権擁護委員連合会などは、夫や恋人などパートナーからの暴力をはじめ、性犯罪、売買春、セクシャル・ハラスメントなどの女性に対する暴力の防止を呼びかけている。1週間継続して「女性の人権ホットライン強化週間」を設定するのは初めて。25日まで。

 東京法務局によると、DV(夫婦・恋人間など親密な間柄での暴力=ドメスティックバイオレンス)セクハラ、ストーカー行為などの悩みで「女性の人権ホットライン」に寄せられる相談件数は、2002年から4年連続で2万件を超えるという。03年には2万9115件で3万件に迫り、05年は相談数2万4321件とわずかながら減少した。その内訳は、性的関係や仕事に就かせないなどの強制・強要が2758件、足でける・叩くなどの暴行・虐待が2285件と上位を占めている(その他1万8287件)。

 夫婦や恋人間でける・殴るなどの身体的暴力、セックスの強要や避妊に協力しないなどの性的暴力のほかに、「仕事に就かせない」や「友人との付き合いを制限する」のは精神的なDVにあたる。夫婦喧嘩で夫が専業主婦に対し「だれのおかげで生活できるんだ!」と大声で怒鳴るのもDVのひとつ。特に、このような暴力に対して、国ではDV防止法を制定し、その防止と被害者の保護を推進している。

 05年の同運動週間には、はじめて週末1日を強化日として「女性の人権ホットライン」を設けたが、今年は強化週間として期間を1週間に延ばした。同局人権擁護部の職員は「一人で悩まずにホットラインで相談してほしい」と呼びかけている。ホットラインを通して、被害者の救済と実態をつかみ、深刻なケースでは、暴行・虐待などの相手から話を聞くなど調査に乗り出して解決を図るという。

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女性の人権ホットライン:0570−070−810
13日(月)─19日(日)
月─金:午前8時から午後7時半
土・日:午前10時から午後5時まで

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