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競争激化!携帯各社に見るマーケティング戦略は?

【PJ 2006年11月01日】− 10月24日から携帯電話の番号ポータビリティが実施され、DoCoMo、au、ソフトバンクによるシェア争いが激化している。これに関連して乗り換え続きが殺到したソフトバンクではシステム障害が発生し、連日のシステムダウンが起こってしまった。30日にはソフトバンクモバイル社長の孫正義社長が謝罪会見し、早急なシステム補強を約束した。

 思い返せば、孫社長自らが同社契約者間の通話料金、メール料金無料というサプライズを発表したのがつい先日の10月23日のことであった。それまで、「大人のソフトバンク」を標榜し「値下げ競争には持ち込まない」姿勢を示していた中で、意表をついた破格の低価格戦略を打ち出した。

 業の「マーケティング戦略」の常識としては、トップシェアの「リーダー」、ナンバー2の「チャレンジャー」、それに続く勢力である「フォロワー」にはそれぞれ打つべき戦略がある。

DoCoMoのリーダー戦略は・・・
 携帯業界においては、紛れも無く「リーダー」であるDoCoMoが取るべき戦略は“ブランド”を前面に出した差別化戦略と共に、追随企業が打ち出す戦略を、その豊富な資金で同質化(独自に打ち出した戦略を真似てしまい、ライバル社の特徴を消してしまう戦略)することである。また、低価格戦略には自ら持ち込ませず、自らのコストダウンを図るに留めるのも定石である。

 事実、DoCoMoが実施する戦略は、「どこでもつながるDoCoMo」を謳い、ナンバーワン・ブランドであることを前面に打ち出している。更には、auの音楽ケータイを同質化しようと、新機種ではどんどん音質や音楽ファイル再生機能の充実を強くPRしている。また、ソフトバンクの“想定外”の破格料金にも「特別に対抗価格は設定しない」と低価格競争には持っていかない方針を打ち出している。今回のDoCoMoの戦略はそういう意味では非常に定石通りの戦略と言える。

auのチャレンジャー戦略は・・・
 また、「チャレンジャー」であるKDDI=auは、どのような戦略を取っているであろうか。チャレンジャーが取るべき戦略としては、まず第一に「弱者を叩く」ことである。即ち、自社より低シェアにあるソフトバンクのシェア伸長を防ぐのが最優先。更には、リーダーに対する差別化戦略を強化する意味で、特定のセグメント(顧客層)を取り込むことに注力し、実力を蓄えた上でリーダーに挑戦するというのが定石である。

 事実これまでのauの戦略を見ると、「音楽ケータイ」という全く新しいポジションを確立するとともに、学生を中心とするデザイン・安価を好むセグメントに“うける”機種や料金設定を徹底し、差別化してきた。やはりauにしてもマーケティング理論通りの戦略と言えるだろう。

ソフトバンクのフォロワー戦略は・・・
 対する「フォロワー」であるソフトバンクはどうかと言うと、定石では、1)ナンバーワン企業の模倣をする、2)経済性セグメント(経済重視=安価重視の顧客層)をターゲットにする、の2通りが考えられる。電機業界では「AIWA」や「SOTEC」がこれらの戦略を実施している。

 ソフトバンクはというと、当初は1)のDoCoMoの模倣を継続し虎視眈々と上位をうかがう姿勢を見せていたが、蓋を開けてみると2)の経済性セグメントを獲得に動いたことが分かった。通話料・メール0円。新機0円。と言った戦術はまさにこの裏づけである。

 以上のように、携帯3社はマスコミに対しても様々なパフォーマンス・コメントを出しているが、全てはこれらの理論通りのマーケティング戦略を忠実に実施していることが見えてくる。われわれ消費者は顧客の目だけでなく、これら企業側のマーケティング戦略という視点からCMなどの広告や、記者会見などのパブリシティを観察すると非常に興味深いビジネスの世界が垣間見えるだろう。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 生田智【 兵庫県 】
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