各事業者のカタログには、多数の料金プランが掲載されている

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   番号持ち運び制度(MNP)の開始にともなって、ソフトバンクモバイルが、次々に「料金0円」と銘打ったプランを展開し、奇抜な戦略に注目があつまっている。しかし、単純に「料金0円」といくわけではなく、様々な条件が付いている。ソフトバンクに限らず、ケータイの料金プランは複雑で、ユーザーからは「わけ分からん」といった困惑の声も聞こえてくる。

   MNP開始前日の2006年10月23日、ソフトバンクモバイルの孫正義社長は記者会見を開き、3つの新料金プラン「オレンジプラン」「ブループラン」「ゴールドプラン」を発表した。前2つのプランは、NTTドコモauの料金プランに対応したもので、これら事業者の同等のプランより210円安く使える、という内容だ。

とにかく複雑すぎて消費者には負担だ

   「ゴールドプラン」は、「新スーパーボーナス」というタイプの契約を結ぶと、ソフトバンク携帯間の通話や国内向けSMS(文字数が制限された短いメール)が無料になる、というプランだ。さらに、この「ゴールドプラン」では07年1月15日までの期間限定で「予想外割」という新たな制度が利用でき、初年度から基本使用料を70%割り引いてもらえ、基本使用料が2,880円で済むようになる。

   ここまででも、今回の料金制度が複雑そうだということが伝わってくるが、さらに、この「ゴールドプラン」の前提である「新スーパーボーナス」が何者なのかという点まで理解しようとすると、ユーザーにとっては大きな負担だ。

   IT系のニュースサイト「ITmedia」に06年10月27日に掲載された記事では、

「26日、量販店へ出かけて何の気なしに料金について尋ねたところ、店員さんはメモ帳に図入りで懇切丁寧に説明してくれた。非常に分かりやすくツボをついた説明だったにもかかわらず、ちょこちょこ質問をしたのが悪かったのか、全部聞き終わって時計を見ると、20分以上が経過していた」

と、今回の料金体系をきちんと説明すると非常に時間がかかることを報じている。

量販店の店員さんに教えてもらう、くらいしかない

   さらに同記事では、ソフトバンクが当初ITmedia社に出していたコメント内容を訂正し、それを受けて記事内容が大きく変わってしまったことを詫びる編注がついている。ここからも、この料金体系の複雑さが伺える。

   ネット上でも、このような批判的な書き込みが相次いでいる。

「こんなにごちゃごちゃ色々言ってるの見ると、これは詐欺ですよって言われてる気分になる。簡潔にしれと」
「料金システムを複雑にして消費者を煙に巻く 何でいまどきコレがまかり通ってる? 」
「ただほど高いものはない」
「錯誤を狙った詐欺だよな」

   ただ、ソフトバンク以外の携帯事業者の料金体系も決してシンプルだとは言えなさそうだ。各社の10月のカタログを見てみてみると、ソフトバンクは12ページ、ドコモとauは14ページを料金体系の説明に割いている。ケータイを買う前にカタログ全てに目を通すとなると、それだけでもわけが分からなくなりそうだ。だとすると、どうする。量販店の店員さんに親切に教えてもらう。それくらいしかないのだ。