吉野ヶ里遺跡で有名な佐賀県、祭りに巻き込まれる

写真拡大

   「佐賀県はネットを監視する企業と契約している」という記事が新聞に載ったのをきっかけに、「祭り」が勃発した。「監視会社が佐賀に関連するキーワードを見つけ次第、県庁に報告」というくだりに2ちゃんねらーが反応、ネット上に「佐賀県」という言葉を含む書き込みが急増している。「リスク回避」のはずが、逆の結果をよんでしまった。

   発端は、2006年10月19日夜、朝日新聞のウェブサイトに掲載された「リスク回避にネット監視活況 メールから取り付け騒ぎも」という記事だ。記事には、こうある。

「佐賀」に関連する書き込み県庁がチェック

   「佐賀県庁の『危機管理・広報課』の仕事は、毎朝1,000件前後届く『書き込み』情報に目を通すことから始まる。『佐賀』という言葉が含まれる情報で、前夜までの1日に書き込まれたものだ。個人のホームページや『2ちゃんねる』などの掲示板、メールマガジンからニュースサイトまで。ネット上のあらゆる場所から検索され、東京都渋谷区の監視会社『ガーラ』から送られてくる。『佐賀』を含む3つのキーワードを拾い出す契約で月10万円弱」

   ネット監視会社の顧客が明らかにされるのが異例な上に、ネット上に書き込まれている「佐賀」というキーワードに関連する書き込みを県庁がチェックしている、という点が2ちゃんねらーの関心を呼んだ。

   この記事の直後から、「佐賀県」という文字列を含む書き込みが急増、例えばこんなタイトルのスレッドが相次いで建てられた。

「プレイステーション3佐賀県で先行発売!」
「Windows XP SP3は08年に延期【佐賀県】」
「佐賀県のアニメ事情」
「佐賀県限定 地上デジタル放送」
「佐賀県の奥様」

「ネット上の声を県政に吸い上げる狙いだった」

   スレッドのタイトルと関連した書き込みの内容は全くと言っていいほどなく、スレッド自体もあまり続いていない。J-CASTニュースのコメント欄にも、名前の欄に「佐賀県」と書き込まれる例が複数確認されている。書き込みの数については、インプレスの「やじうまWatch」では、10月20日現在で「現在1万以上のスレッドに『佐賀』の文字が」と報じている。

佐賀県庁の危機管理・広報課は、J-CASTニュースの取材に対して

「今回の件については苦慮しています。決してネットを『監視』ということではなくて、ネット上での声を県政に吸い上げたい、という狙いだったのですが…。電話やメールで直接意見を寄せる、というのはハードルが高いので、ネット上の声を見て、良い(と指摘されている)点は県政に反映させ、悪い点は反省したい、ということです。『監視』が狙いではない、という点はご理解いただきたいです」

と、困惑した様子で答えた。通常は1,000件だという「書き込み情報」の数が記事掲載後はどれくらい増えたか、という問いには「まだわからない」としている。

   日本有数の「地味な県」として知られる佐賀県だが、思わぬところで派手な「祭り」に巻き込まれてしまった。