【TrendDoor】デフレ脱却のカギは品質の向上しかないのか?
 近年、百貨店、スーパー、コンビニエンスストアに次ぐ「第4の業態」とも言われる100円ショップが進化を続けている。当初はその価格設定に注目が集まり、商品の質への評価が著しくなかった感があるが、大手コンビニ会社もその事業に参画したことで消費者の目も肥えてきた。
 食品スーパーを経営する会社から2000年に独立し、小分けした生鮮食料品や生活雑貨を中心とした店舗を展開している「SHOP99」の運営会社、株式会社九九プラスの広報担当渡辺さんに話を訊いた。

 「一般的には、物流、材料費、人件費など、商品に関わるすべての予算を換算して実売価格を決めますが、弊社は『安心・安全で品質のよいものを99円で売るためにはどうしたらいいか?』という考えから始まります。広告費をかけず、物流コストを見直し、商品を買い取ることでメーカーへ負担をかけない。こういった地道な努力が、低価格と安心感を生み出すのです」(株式会社九九プラス 経営推進室 広報担当 渡辺晶子さん)

 “安かろう、悪かろう”では消費者はけっして満足しない。これはいつの時代においても共通の認識といっていい。
 日本随一の電気街・秋葉原でこの秋“10円パソコン”なるものが売り出された。さまざまなニュース媒体で取り上げられたため、その存在をすでに知っている人も多いだろうが、なぜ10円でパソコンが買えるのか? お店はどうやって儲けを出しているのか?
実はこの値段、“Yahoo!BBと新規契約を結べば”という条件付きのもの。販売店にはYahoo!BBから販売奨励金が入るため、10円という破格の値段で売ることができるのだ。10円の中古パソコンとはいえ充分に使えるものが多く、自作PCのパーツ取り機として購入に走るユーザーも多いと聞く。

 我々消費者は“価格破壊”を好む。ほしい商品を安く購入でき、その品質が保証されているのであればなにもいうことはない。
 いち時期の「デフレ・スパイラル」を脱したかのように見える日本経済だが、過度の価格競争は業績不振につながる。その結果として従業員の賃金カットや雇用削減が顕著となり、消費の冷えは不況というかたちにあらわれるのだ。物価下落と不況による悪しき循環はもうたくさんだろう。

筒井健二

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株式会社九九プラス