5日、国連大学で行われたパネル展の開会式でジェームズ・モリス事務局長(後方中央)と記念写真におさまる子どもたち。(撮影:佐谷恭)

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東アフリカの飢餓に焦点を当てた子ども向けパネル展「アフリカの明日をつくるWFPのごはん」が5日、東京都渋谷区の国連大学ギャラリーで始まり、小学生約80人を集めて開会式が執り行われた。

 同展は、WFP(国連世界食糧計画)の活動を紹介するとともに、現在の飢餓の状況から東アフリカ本来の豊かな文化を取り戻すためにできることを、子どもたちに考えてもらうことが目的。アフリカの現状を写真と説明文などで伝えるパネルのほか、同地の子どもが描いた絵やWFPが配給する食糧の実物なども展示されている。

 WFPのジェームズ・モリス事務局長は、飢餓の原因として、干ばつなどの自然災害や人間が作り出した戦争などの暴力行為があると、子どもたちに分かりやすく説明。「日本も食べ物が足りない時期があったが、世界の援助ですばらしい国に発展した。大人になり、世界のリーダーになるにあたって、みんなもこの難しい、道徳的な問題を考えてほしい」と呼びかけた。

 開会式に出席した川崎市川中島小学校5年生の生徒たちは「食糧があるのが当たり前だと思っていたので、驚いた」「これをきっかけにみんなで話し合いたい」などと、子ども代表として意見を述べた。開会式の後、ケニア・ルオー族の伝統的な楽器「ニャティテイ」の世界初の女性演奏家である向山恵理子さんの演奏とダンスチームによるパフォーマンスがあり、子どもたちはアフリカ文化の一端に触れた。

 同写真展は、10月30日まで。土日祝も開催されており、開場時間は午前10時から午後5時まで。最終日は午後3時まで。【了】