18世紀から開かれている、フィンランド・ヘルシンキの「ニシン市」会場(撮影:佐谷恭)

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北欧の秋の風物詩の1つである「ニシン市」が、フィンランド・ヘルシンキのマーケットスクエアで開かれている。7日まで。

 「ニシン市」は1743年に始まった伝統あるイベントで、今回で264回目。新鮮なニシンやサンマ、調理済みの総菜のほか、同国名産品のベリーなど、食欲をそそる品々が港の広場に設置された屋台にところ狭しと並ぶ。船着場には商品を売ったり調理をするための船がひしめいており、“秋の味覚”を求めて、多くの人が列を作っていた。

 元来、この市は海が凍って漁船が港に入れなくなる前に、塩漬けや酢漬けにされた魚を冬の食糧として確保するために開かれていた。かつて各地で開かれていた同様のニシン市は、保存技術や流通業の発達により、次第に廃れていった。しかし、ヘルシンキでは、“伝統”を“イベントとして”受け継いで行くことを決めたという。

 ニシンの味付けコンテストなども開かれており、漁師らが腕を競っている。開催時間は午前7時から午後7時まで。最終日は午後4時まで。「ニシン市」は毎年、第1日曜日から7日間開催されている。【了】

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