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テレビが推奨する食の功罪はいかに? (上)

テレビが推奨する食の功罪はいかに? (上)
玄米食にすれば、食生活が変わる。副食が野菜中心になる、と説明する鈴木猛夫さん。東京・文京区の魚健ストアで。(撮影:穂高健一)
【PJ 2006年09月24日】− 現代人はつねに成人病の不安を抱えている。中高年になれば、心臓病、高血圧、糖尿病、高脂血症など、意識のどこかにもつものだ。テレビ局の多くは、これら潜在的な不安を見逃さず、病気の予防に名を借りた番組を積極的に放映している。視聴率は高いようだ。

 「がんの予防に効果がある」とテレビ出演の医者が、一つの食品を持ち出せば、番組が終了した数時間後には、商店やスーパーの売り場から、たちまち消えてしまう。2−3日は売り切れが続出。一週間後には、その商品が山積みで、忘れ去られる運命にある。

 「血液がさらさらになる」「ダイエットに効果がある」というと、中高年層の女性が殺気だって次々とスーパーを駆けまわる。売り切れだと落胆する。手に入れても、人間は一つの食材を一週間も、二週間も連続して口できないもの。血液の濃度などは個人的に計測できない。効果がわからないものなど、継続できるはずがない。大半が三日坊主で頓挫する。

 振りまわされる消費者(視聴者)は虚しさを感じているはずだ。しかし、病気への不安症候群から「高血圧に効果がある」という紹介で、また売り場へむかう。ダイエット効果は日々の運動量、エネルギー消費量、睡眠時間などが複合的な作用で、体重に反映されるもの。テレビ番組では、それらを無視した内容が目立つ。

 モニター体験の出演者による、一週間前と後の体重測定はさも信憑性があるようだが、疑問は多い。モニターは一週間後、テレビで大勢のひとが観ているから、効果を見せないと恥ずかしい、という心理が働く。カメラの見えないところで、絶食とか、別の方法とかで痩せる努力をする。また、一つの食材とか、一つのストレッチとかに終始するはずがないし、生活とは複数の相関で成り立っているものだ。

 一週間後、モニターがテレビカメラの前に出てくる。『減量成功』という撮影が終わると、安堵感から食欲が旺盛になる。リバウンドで、以前よりも体重増加となってしまう。

 テレビ局は巧妙に病名を変え、番組の延命を図っている。こうした番組に問題点はないのだろうか。食生活史研究家の鈴木猛夫さん(62)に聞いてみた。鈴木さんは食関連の雑誌記者を経て、現在は食生活改善や食育の大切さを訴える講演、執筆活動を行っている。

 「テレビ番組に出演する医者は一つの食品をもって病気の予防になるといい、薬のように効果を捉えています。食べ物は単品(一つの食品)で、栄養とか、健康とかを語ること自体に無理があります」。それを強調すれば、食生活の話ではなく、医療分野の話になる。食生活の改善にはつながらない。一つひとつの食品にはメリットと、デメリットがある、と指摘する。

 現在は欧米型疾患が中高年層から、若年層まで拡大してきている。糖尿病なども低年齢化している。
「テレビ放映の健康番組は、食生活全体のあり方の改善ではなく、一品目だけで、病気の予防や治療になると、信じ込ませています」と鈴木さんは、危険な面もあると強調する。かりに一品目だけで動脈硬化の予防ができる内容だと、視聴者が鵜呑み、丸呑みにするおそれがある。これさえ食べていれば、と金科玉条のように摂取し、人体に悪影響を及ぼすこともあるようだ。【つづく】

■関連情報
鈴木猛夫著『アメリカ小麦戦略と日本人の食生活』藤原書店

鈴木猛夫さんHP:食生活史研究家・鈴木猛夫

記者HP:穂高健一ワールド 
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高健一【 東京都 】
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