東京都の石原慎太郎知事は22日の定例会見で、国旗国歌をめぐる東京地裁の違憲判決について控訴する意向を示した。

 東京地裁(難波孝一裁判長)は21日、卒業式や入学式などで日の丸に向かって起立し、君が代を斉唱するよう教職員に義務付けた東京都教委の通達について、「憲法が定める思想・良心の自由を侵害する行き過ぎた措置」だとして違憲との判断を示した。

 この日の会見で石原知事は開口一番、「当然控訴します」と発言。ごく平均的な高校を生徒に分からない形で2回視察したという知事は、「あの裁判官は、東京の都立高校の実態を見ているのかどうか。全部が全部とは言わないが、乱れに乱れていて先生の言うことを全然聞かない。授業を受けているのは前列の2列か3列だけ。あとはワイワイ弁当食ったり、勝手なことをしていたよ」と自らの体験を披露した。

 その上で、「そういうものの規律を取り戻すために、ある種の一つの統一行動は必要だ。その一つが式典に応じての国歌・国旗に対する敬意だと思う」との考えを示し、「指導要領でこういうことをしなさいといわれている限り、教師としての義務が生じる。教師というのは子どもに範をたれるのだから、俺はこれは気に入らないでは済まない。指導要領で要求されていることを行わなかったら、教師の義務を怠ったことになり、処分を受けるのは当然だ」と語った。【了】