「結婚情報サービス」というキーワードで検索すると、多数のサービスがヒットする

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   ネットお見合い?それって出会い系とどう違うの ?そんな意識がまだ一般的かもしれない。しかしネットユーザーの間では、パソコンさえあれば気軽にできる「ネットお見合い」が人気だ。ネット向けの結婚情報サービスの会社が次々と出来るだけでなく、「リアル」で展開していた既存会社もネットに熱い視線を注いでいる。

   経済産業省が2006年5月にまとめた研究報告書「少子化時代の結婚関連産業の在り方」によると、結婚相談所・結婚情報サービス業の市場規模は、5〜600億円と試算されており、これらのサービスに入会している男女は約60万人となっている。この数字を後押ししているのは、未婚率と離婚率が上昇していることだ。

ポータル各社も魅力に感じる

   都会では「負け犬」が増殖し続け、地方では男余りの現象が起きている。ここに拍車をかけるのが、「バツイチ」が増殖していることだろう。熟年離婚が話題になったのも記憶に新しい。いっぽう、医療技術の進歩で平均寿命は伸びている。パートナーを欲しいと感じているが、うまくニーズが合致しないというのが、彼らの抱いている悩みなのである。
   市場全体の中では、まだそれほど大きな数字ではないが、ネットが生活に密着するにつれて、結婚相手もネット上で探そうという考え方は定着するに違いない。
   テレビなどではコメンテーターが「恋愛や結婚すら、マニュアルや他人の助けがなければできないのか」と嘆くが、できないのだから仕方がない。ニーズがあれば商機もある。
   この商売は、システムさえ最初に作ってしまえば、あとはほとんど人間の手が要らないという。人件費が安く、利益率が高い。ポータル各社も当然魅力に感じるはずで、その集客力を武器に、市場を席巻しつつある。

大手は「安全面」を強く打ち出している

   最も入っていくのが早かったエキサイトは、自前のコンテンツ「エキサイト恋愛結婚」の拡充をはかっているし、ヤフーは、「ブライダルネット」という老舗の結婚情報サービス専門の会社を買収して、市場への浸透をはかっている。いずれも、無料のお試しコースを用意して、顧客を囲い込む。一度入会してしまうと、ネットでのチャットやテレビ電話システムなどが充実しているため、顧客はどんどんパーチャルでの出会いにお金をつぎ込んでいくシステムとなっている。

   小規模なネット上での結婚情報サービス会社と比較して、こうしたサイトは正式に入会するためには、住民票や給与明細などの書類を提出しなければいけないなど「安全面」を強く打ち出しているのが特徴だ。

   検索エンジンで「結婚情報サービス」と入れると、「素敵な出会いのきっかけを応援します!」とか「特徴はそのステータスの高さ!男性会員の74%が大学卒業」「カップル成功率90%。きっと運命の相手が見つかるハズ」といった宣伝文句がずらりと並ぶ。さらに、結婚情報サービスを徹底比較、というサイトさえたくさんあることが分かる。都会では受け入れられた感のあるビジネスだが、田舎ではまだまだ普及していない。しかし地方でも、意識と IT環境の変化によって大きく伸びそうだ。