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被疑者の全面否認。長期拘留は必要か?(上)

【PJ 2006年09月18日】− 検察が起訴した被告人に対する有罪比率が毎年99・9%だ。綿密な捜査と証拠集めが行われたうえ、さらに起訴、不起訴処分の振り分けがあったとしても、毎年99%も維持できるのはなぜか。神様でもないのに、検察は罪のすべてを見通せるのか、という批判に結びついてしまう。そこには裁判システムに不合理、不公平な面があるからだと思われる。

 捜査段階で逮捕された被疑者が全面否認した場合、ほとんど保釈請求が裁判所で認められず、却下される。そのうえ、検察によって外部との接見禁止すら行われる。それらが起因しているのだ。

 拘置された体験者から聞き取りをすると、保釈申請の却下はショックで、前途が闇、どん底の心境になるという。それは拷問と同様の精神的なダメージのようだ。『警察や検察と、これ以上関わりたくない、早く逃げ出したい』という意識がはたらく。自白調書に安易に署名し、裁判で証拠として採用されるのが常だ。

 同時に、いざ裁判に及ぶと、『起訴事実通りです』という冒頭で認めてしまう。検察官の能力の優秀さだけでは解明できない、99.9%のマジックがここにあるのだ。

 刑事訴訟法では、取り調べは被疑者を逮捕しないで、任意捜査をするのが原則。マスコミをにぎわす大きな事件は、容疑が軽いものでも、検察や警察はおおむね逮捕する。拘留期間は最大22日だが、全面否認すれば「証拠隠滅のおそれがある」という理由で、さらに身柄を拘束する手段に及ぶ。

 『人間はこの世に生まれ、一度だけの人生である』。そのうちの数カ月、あるいは1年、2年にもおよぶ、意味ない拘置所生活は精神的な拷問にも等しい。

 目いっぱい証拠品を押収した検察が、長期拘留を望む裏には、一罰百戒の思想が流れている。それは検察が国民に代わり、社会への見せしめをしてやる、という驕りたかぶりの精神あるからだろう。

 新聞やTVや雑誌が情報万能の時代は、国民はメディアから受け身だった。記事の内容が裁判所や検察庁寄りだったから、これら機関は崇高なものだと信じ込んできた。裁判官、検察官のやることは完璧だと思ってきたのだ。

 ネット社会になってきた現代は、個人の考え、見方がかんたんに世界中へ発信できるようになった。マスコミ誘導によるバッシングの危険な面が残されているが、罪深い事件の被疑者に対して、個々の意見や批判が発信できる時代に移り変わってきた。

 長期拘留による、マスコミを使った一罰百戒の検察思想はもはや不要。逮捕された以降は、国民一人ひとりが判断し、被疑者本人のまわりで、批判や意見をいえる時代だ。一罰百戒と同様の社会的な制裁が与えられるのだから。

 検察官でもひとつ対応を間違えば、新聞社やTVならば目を瞑ってくれたものが、市民側からブログなどで、遠慮なく検察批判を発信する時代になった。タイトルからの検索一つで、何千人、何万人もが読める時代なのだ。【つづく】 
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一【 東京都 】
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