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安倍晋三著「美しい国へ」を読んで。

【PJ 2006年09月07日】− 「君が代」が天皇制を連想させるという人がいるが、この「君」は、日本国の象徴としての天皇である。日本では、天皇を縦糸にして歴史という長大なタペストリーが織られてきたのは、事実だ。ほんの一時期を言挙げして、どんな意味があるのか、素直に読んで、この歌詞のどこに軍国主義の思想が感じられるのか。安倍晋三著「美しい国へ」の84ページで、こう言及している。

 安倍さん、確かにそうかも知れません。この61年の歴史のみで言えば。しかし、きっと、貴方もどこかで聞いたことのあるこの歌は、どうなのでしょうか?それは、万葉集の大伴家持の歌とされています。

 大伴の 遠つ神祖(かむおや)の その名をば、大来目主(おほくめぬし)とおひもちて 仕えし官(つかさ)

 「海行かば 水漬くかばね 山行かば 草むすかばね 大君の 辺にこそ死なめ かへりみはせじ」 と言立(ことだ)て
どこかの記念館でも、この曲が流されていたと聞いています。

 国歌として復活した「君が代」の「君」が素直に象徴天皇ならば、もし、自衛隊が国軍となり、儀典歌「海行かば」が復活すると、大君も「象徴天皇」になるのでしょうか。「公」の感情と「私」の感情の章で、国家のためにすすんで身を投じた人たちに対し、尊崇の念をあらわしてきただろうか。とあります。一体これは、何のことを言っているのでしょうか?この念をあらわすため、神として祀られている靖国神社へ参拝するのが、当然であるというのでしょうね。

 本当にそうですか?国のためにすすんで身を投じた人は、神になり、意識もせずに空襲や追い詰められて自決した人たちは、尊崇される価値もないのでしょうか?おかしいですよ。国のため、武器を持って戦ったならば、尊崇され、武器ももたず、無抵抗に死んでいったらそれは、単なる「戦災による死亡」ということでは。

 死んだみなさんも、それは、「大君の辺にこそ死なめかへりみはせじ」の心根だったでしょうし、このことは、当時の教育書「国体の本義」によって教育されていたことなのですから。民間人である対馬丸、阿波丸の犠牲者等ら平沼騏一郎、広田弘毅、東郷茂徳、松岡洋右、白鳥敏夫は、靖国の祭神になっていますが、これらもそのカテゴリーからすれば、すすんで国のために身を投じた人になるのでしょう。基準も曖昧なのです。「戦没者」とするなら、戦争犠牲者全てを祭神すべきです。差をつけてはいけません。宗教的、人種的差別もいけません。神道では、それはやはりできないことなのでは。

 靖国問題は、もう一度きちんと感情的にならずに、検討すべきことであり、天皇制も含めて、曖昧な解決をしている問題は、やはり、この際、きちんとしましょう。親王誕生で、めでたし、めでたしでもありませんし、靖国も外交問題にされるからではなく、それこそ、これらの問題は、日本の戦後の精算の課題として真剣に国民全てが取り組むことだと思います。【了】
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 鈴木 修司【 愛知県 】
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