今週のお役立ち情報
70歳の挑戦、ヒマラヤ8000メートルに挑む(下)
2006年09月04日08時00分 / 提供:PJ
【PJ 2006年09月04日】−
(上)からのつづき。 公募登山の『2006年秋 マナスルガイド登山隊』のルートは、56年の日本山岳会の初登頂ルートとほぼ同じ。「写真と地図で、登攀のイメージはすでに出来上がっています」と内田さんは語った。
70歳でヒマラヤにチャレンジする情熱と気迫は、いったいどこから生まれたのか。単なる山好きでは叶わぬこと。内田さんの登山歴から探ってみた。高校時代に、松原湖から八ヶ岳に登ったのが最初の登山だったという。社会人になってからは山登りに熱中した。
40代の頃には日本一高い(富士山)、二番目(北岳)、三番目(奥穂高)を三日間連続で登頂(登山口までは車で移動)したり、山岳マラソンにもチャレンジしたりしている。他方で、NTTの無線中継所の技師として、麓の住まいから山頂の無線中継所に通っていた。日常が山登りだった。50代は夏の槍ヶ岳、剣岳、穂高の北アルプスの縦走などが中心だった。
60代で無名山塾(岩崎元郎さん主宰)の会員になった。「狙いはいつか8000メートルのピークに登りたい、という夢があったからです」と語る。同塾でロッククライミング、富士山八合目の雪上訓練、西沢渓谷のアイスクライミング、谷川岳での雪上テント設営など、ヒマラヤ登山に必要な基本技術を学んだ。
今年に入って6100メートル級のヒマラヤ登山を計画していたが、政情不安で実現不可能になった。そんな折、山岳雑誌『山と渓谷』4月号、5月号に、マナスル登山隊の公募広告が載っていた。同登山隊リーダーの山本篤さん(日本山岳ガイド協会認定・上級登攀ガイド・明治大学山岳部OB)とは無名山塾での付き合いがある。「これが実現できたらな」という想いを強めた。5月末、飯豊連峰に登った折、山本さんから『内田さんの体力だったら、マナスルにいける』といわれたのだ。
夢のまた夢だった8000メートルに挑戦するチャンスがきたと、内田さんの気持ちが高まった。その想いを幸子夫人に語った。「反対したら、マナスルはやめるんですか」「反対してもいく」「信頼できる山本さんがリーダーなら、安心だし、いいわよ」。この会話で決まったのだという。
これに先立つこと、NTT関連会社を退職した昨年、内田さんは夫婦でトルコ15日間、バンコク、中国と三度も海外旅行をしている。他方で、ふたりは県内のハイキングクラブに所属し、山歩きを楽しむ。山好き夫婦だから、幸子夫人は、夫の心底からのヒマラヤ8000メートルへの熱意を読みきり、快く送りだすことばとなったのだろう。
公募メンバーが決まった6月には北アルプスの剣岳で、参加者全員による顔合わせ登山がおこなわれた。同時に、文部科学省立山登山研究所(富山県)で、二泊三日の低酸素トレーニングを受けている。
成田発まであと5日の先月末。不安はないですか、とPJは質問を向けてみた。「年齢からくる体調の変化などは読みきれない面があります。8000メートルまで、体力が持つのかどうか、未知の世界です」と前置きした。クレパスと雪崩には注意したい。天候が悪いときは動かない。山頂アタックが無理だと思ったら、降りられる余力を残した段階で、いさぎよく引き返す。
「無理して、死にたくはない。生きていれば、もう一度チャレンジが巡ってきますからね」と微笑で語ってくれた。
安全登頂を祈りたい。【了】
■関連情報
記者HP:穂高健一ワールド
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 穂高 健一【 東京都 】
この記事に関するお問い合わせ / PJ募集
70歳でヒマラヤにチャレンジする情熱と気迫は、いったいどこから生まれたのか。単なる山好きでは叶わぬこと。内田さんの登山歴から探ってみた。高校時代に、松原湖から八ヶ岳に登ったのが最初の登山だったという。社会人になってからは山登りに熱中した。
40代の頃には日本一高い(富士山)、二番目(北岳)、三番目(奥穂高)を三日間連続で登頂(登山口までは車で移動)したり、山岳マラソンにもチャレンジしたりしている。他方で、NTTの無線中継所の技師として、麓の住まいから山頂の無線中継所に通っていた。日常が山登りだった。50代は夏の槍ヶ岳、剣岳、穂高の北アルプスの縦走などが中心だった。
60代で無名山塾(岩崎元郎さん主宰)の会員になった。「狙いはいつか8000メートルのピークに登りたい、という夢があったからです」と語る。同塾でロッククライミング、富士山八合目の雪上訓練、西沢渓谷のアイスクライミング、谷川岳での雪上テント設営など、ヒマラヤ登山に必要な基本技術を学んだ。
今年に入って6100メートル級のヒマラヤ登山を計画していたが、政情不安で実現不可能になった。そんな折、山岳雑誌『山と渓谷』4月号、5月号に、マナスル登山隊の公募広告が載っていた。同登山隊リーダーの山本篤さん(日本山岳ガイド協会認定・上級登攀ガイド・明治大学山岳部OB)とは無名山塾での付き合いがある。「これが実現できたらな」という想いを強めた。5月末、飯豊連峰に登った折、山本さんから『内田さんの体力だったら、マナスルにいける』といわれたのだ。
夢のまた夢だった8000メートルに挑戦するチャンスがきたと、内田さんの気持ちが高まった。その想いを幸子夫人に語った。「反対したら、マナスルはやめるんですか」「反対してもいく」「信頼できる山本さんがリーダーなら、安心だし、いいわよ」。この会話で決まったのだという。
これに先立つこと、NTT関連会社を退職した昨年、内田さんは夫婦でトルコ15日間、バンコク、中国と三度も海外旅行をしている。他方で、ふたりは県内のハイキングクラブに所属し、山歩きを楽しむ。山好き夫婦だから、幸子夫人は、夫の心底からのヒマラヤ8000メートルへの熱意を読みきり、快く送りだすことばとなったのだろう。
公募メンバーが決まった6月には北アルプスの剣岳で、参加者全員による顔合わせ登山がおこなわれた。同時に、文部科学省立山登山研究所(富山県)で、二泊三日の低酸素トレーニングを受けている。
成田発まであと5日の先月末。不安はないですか、とPJは質問を向けてみた。「年齢からくる体調の変化などは読みきれない面があります。8000メートルまで、体力が持つのかどうか、未知の世界です」と前置きした。クレパスと雪崩には注意したい。天候が悪いときは動かない。山頂アタックが無理だと思ったら、降りられる余力を残した段階で、いさぎよく引き返す。
「無理して、死にたくはない。生きていれば、もう一度チャレンジが巡ってきますからね」と微笑で語ってくれた。
安全登頂を祈りたい。【了】
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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
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